更新日:
2025/8/21

新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革の推進からテレワークを導入する企業が増加している昨今。テレワーク導入に伴い、資金面で不安がある企業も少なくないと思います。資金面で不安がある企業はテレワーク導入に利用できる助成金を検討してみてはいかがでしょうか?
本記事ではテレワーク導入にあたって利用できる助成金について解説し、助成金申請時に必要な領収書などの必要書類についても解説します。

テレワーク導入にあたって利用できる助成金とは、テレワークを導入する企業に対し、各省庁や都道府県が導入に必要な機器やソフトウエアなどの経費を助成する様々な制度のことです。
補助対象や上限額、申請期間などは自治体ごとに異なるため、制度の活用を検討する際は、まずはお住まいの自治体の公式サイトで最新情報を確認することが重要です。

なぜテレワークを促進するために助成金が支給されるのでしょうか?その背景には主に3つの要因があります。
テレワーク導入のために助成金が支給される背景のひとつに、近年注目を集める「働き方改革の実現」があります。働くすべての人々がそれぞれの事情に応じた柔軟な働き方を自分で選択できるようにすることを目指すのが「働き方改革」です。
テレワークは自宅で仕事を行えることから、育児や介護などを行う労働者にとっては働きやすい就業の形態といえ、長時間労働で柔軟性がなく硬直化したかつての日本社会全体の働き方を改革するための施策として期待されています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークでは自宅で仕事が行えるため出勤時の3密を避けることができ感染症の拡大防止に繋がります。職場に出勤する必要がなく、人と接触する機会を減らすことができることも、テレワークのメリットといえます。
テレワークを導入することにより、労働生産性が向上することもテレワーク助成金が支給される背景の一つに挙げられます。
総務省が公表している「平成28年通信利用動向調査」においては、テレワークの導入企業と未導入企業とで生産性に1.6倍の差が見られたと報告されています。
テレワーク助成金の具体的な制度について解説します。各助成金の特徴を理解して利用するようにしましょう。
「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」は厚生労働省が行う助成金制度です。
時間外労働の改善
労働者のワークライフバランスの推進
多様な働き方の推進
などを目標として、テレワークに取り組んでいる中小事業主へ助成金が支払われます。
支給対象になるためには以下の条件を満たす必要があります。
労働者災害補償保険の適用事業主である
小売業は資本または出資額が5,000万円以下、常時雇用労働者が50人以下など、業種ごとに中小企業と認められる規模であることが確認できるか
テレワークを新規導入する、または継続して活用する事業主である
テレワークの実施に積極的に取り組み、成果が期待できる事業主である
経済産業省および中小企業庁では、生産性改善を目的としたITツールの導入を支援する「IT導入補助金」を実施しています。
感染症の拡大防止対策に取り組む事業者に対してIT導入などを優先的に支援する「特別枠」では、補助率を1/2から最大3/4に拡充。PCやタブレットなどのレンタル費用も、補助対象となっています。
東京都が行う人材確保、職場環境整備を支援するための施策である「テレワーク定着促進助成金」。支給対象になるためには以下の条件を満たす必要があります。
常時雇用する労働者が2名以上999名以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等
都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
※その他にも要件がありますので、詳しくは募集要項をご確認ください。
本制度に登録すると、「テレワーク東京ルールを実践する企業としてのPR」「融資利率の優遇」「信用保証料を補助する特例メニューの利用」といったメリットを受けられます。

テレワーク導入に利用できる助成金の対象となる事業者の主な要件には以下のようなものがあります。
常時雇用する労働者の数が2~999人以下の事業を営む中堅・中小企業等
過去5年間に重大な法令違反等がない
就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出を出している
感染症対策として柔軟な働き方を推進する目的である
上記は主な要件であり、助成金の対象は各省庁や自治体ごとに要件が異なるため、あらかじめそれぞれを確認しておく必要があります。なお、2つ以上の助成金を同時に利用することはできない場合もあるので。申請する際には全体を把握したうえで戦略的に利用するべきであることにご留意ください。

助成金をスムーズに受給するには、各ステップごとに必要な準備や注意点を押さえておくことが重要です。以下に一般的な流れを詳しく解説します。
まずは、テレワーク導入に関する自社の課題や目的を整理し、どのような設備・ツールが必要なのかを洗い出します。この段階では、社内体制の整備や対象となる部署・従業員の明確化も行いましょう。
制度ごとに求められる様式で、テレワーク導入に関する実施計画書を作成します。加えて、就業規則や会社概要、機器の見積書、導入スケジュールなども添付書類として必要になるケースが多いため、事前に確認しておきましょう。
準備が整ったら、各制度の指定フォームや電子申請システムを通じて申請を行います。この時点で提出された情報をもとに審査が行われ、交付決定通知が届くまで購入や契約は控えるのが原則です。
交付決定を受けたら、計画に基づいて機器の購入やソフトウェアの導入、ネットワーク環境の整備を進めます。導入後の運用状況を記録し、実績報告に備えます。
事業完了後、導入内容や実際にかかった費用をまとめた「実績報告書」を提出します。領収書や請求書の写し、導入後の利用実態が分かる記録(例:テレワーク実施状況の報告書など)も必要になることがあります。
実績報告に基づき審査が行われ、問題がなければ指定口座に助成金が振り込まれます。書類不備や内容の相違があると支給額の減額や不支給となる場合もあるため、慎重に手続きを進めましょう。

助成金申請において見落とされがちなポイントや、実際に不支給となる原因となった事例を以下にまとめました。
助成金制度の多くでは、「交付決定通知が届いた日以降」の支出が補助対象と定められています。申請前に導入してしまうと、必要経費であっても対象外となり、費用はすべて自己負担になってしまいます。
交付決定通知の「日付以降」に発生した支出でなければならないため、契約や購入・納品のタイミングには特に注意が必要です。領収書に記載される日付も、審査で重要視されます。
助成金の審査では、「誰が、いつ、どのような目的で、いくら支払ったか」が明確にわかる領収書が求められます。宛名の略称や日付の省略、金額表示のミスなどがあると、差し戻しや減額の原因になることがあります。
当初申請時に提出した見積書と、実際の購入品や金額が異なる場合には、事前の変更申請や理由書の提出が求められるケースがあります。変更が必要になった場合は、早めに相談窓口に確認することが重要です。
クラウドサービスのサブスクリプション費用や人件費、導入研修費などは一部制度では対象外とされています。補助対象となる範囲を制度ごとに正しく把握しておかないと、想定していた支給額よりも大幅に少なくなることがあります。
テレワーク助成金を受け取るためには大きく分けて2つの書類を提出する必要があります。
事業実施申請書:各種テレワーク助成金を申請するための書類
支給申請書:テレワーク事業導入にかかった費用などを請求するための書類
※テレワーク助成金制度によって必要となる書類は異なるため、詳しくは各助成金制度のHPからご覧ください。
上記二つの申請書とあわせて添付書類を提出する必要があります。どの助成金制度でも必要となる添付書類が領収書です。補助対象となっているPCやタブレットなどの費用も助成金で補うことができますが、領収書が正しく発行されていない場合、書類不備ということで助成金が支給されない可能性があります。
上記で解説した通り、テレワーク助成金を受け取るためには領収書が必要となります。領収書に不備があり助成金がもらえない、なんてことにならないように下記の点に注意しましょう。
日付は、支払者が代金を支払って受取人が受け取った日付を「年月日」で記入します。
このとき、日付の書き方は和暦・西暦どちらでも問題ありませんが、いずれも省略形は好ましくありません。必ず「令和4年」「2022年」など、年号や西暦のすべての桁を正確に記入しましょう。
宛名の書き方は、下記の2つのことに注意し、正式名称を記載するのが原則です。
(株)などの省略形は不可。「株式会社」などと記入する
「株式会社」の表記が前株か後株かに注意
ちなみに、宛名に「上様」と記載されている領収書は、必ずしもNGというわけではありませんが、第三者が事実関係を判断しやすいという観点から、誤認のリスクを回避する安全対策として、正式名称を記入するのが最良の方法と言えます。
領収書には、発行者の住所と名称を記入するのが原則です。住所・社名の入った社判を利用しても有効とされます。また、発行者の印鑑の押印は必須ではありませんが、偽造防止や商習慣として角印で押印するのが一般的です。
金額の書き方は、下記の3つを記載するのが原則です。
金額の数字の部分には3桁ごとに「,(コンマ)」を入れる
金額の先頭に「¥(円マーク)」か「金」を記載
金額の末尾には「※(米印)」「−(ハイフン)」「也」のいずれかを記載
金額の前後に上記の記号などを入れるのは、改ざん防止を目的とした対策でもあります。
受取金額が5万円以上の領収書には、金額に応じた収入印紙を貼付して消印を押す必要があります。なお、クレジットカード払いの場合は、収入印紙の貼付は不要です。ただし、その際「クレジットカード利用」や「クレジット取扱」と記載しないと、第17号の1文書(課税文書)に該当し、収入印紙の貼付が必要となります。

テレワーク助成金は制度ごとに申請条件や手続きが異なるため、公式機関から最新情報を得ることが欠かせません。また、疑問点がある場合は、相談窓口を活用することでスムーズに申請が進みます。
東京都が設置するテレワーク導入支援のための総合拠点です。助成金に関する情報提供のほか、専門家による無料相談や導入に向けたアドバイス、企業向けセミナーの開催など、実務に直結したサポートが受けられます。現地に足を運べば、実際にテレワーク関連機器を体験できるスペースも利用可能です。
厚労省が委託運営する相談窓口で、全国どこからでも電話・メールでの問い合わせが可能です。助成金制度の概要に加え、就業規則の整備、労働時間の管理、労使間トラブルへの対応など、テレワーク導入にともなう幅広い課題に対応しています。
助成金制度の詳細や募集期間、申請書類の書式は、各機関の公式サイトにて公開されています。特に自治体独自の助成制度は変更や追加が頻繁に行われるため、申請前に最新情報を必ず確認しましょう。

テレワークを導入しても、請求書や契約書など紙ベースの郵便対応業務が残ることで、出社せざるを得ないケースが少なくありません。これらの業務が、テレワーク定着の妨げとなっている企業は多く見受けられます。『トドケール』は、オフィスに届く郵便物をデジタル化し、クラウド上で一元管理できるサービスです。受け取った郵便物をスキャンしてクラウドに保存・通知することで、在宅勤務中の社員でも迅速に対応可能。紙業務のDX化を支援します。
また、『トドケール』のような郵便物管理サービスは、業務効率化・生産性向上に資するITツールとして、助成金の補助対象となる場合があります。テレワーク定着のためのIT投資を検討する際には、トドケールのようなサービスの導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
申請は原則として、設備やサービスの導入前に行う必要があります。導入後では対象外となる場合があるため、必ず事前に募集要項を確認しましょう。スケジュールには余裕を持つことが大切です。
一般的には、パソコンやタブレット、VPN機器、クラウド型の業務支援ツールなどが対象になります。ただし制度ごとに範囲が異なるため、対象一覧を必ず確認しましょう。
助成金の対象とするためには、交付決定前に購入してはいけません。また、領収書の発行日や記載内容に不備があると助成されない場合があるため、事前に制度の条件をよく確認しておきましょう。
本記事ではテレワーク導入に利用できる助成金について解説し、助成金申請時に必要な領収書などの必要書類についても解説しました。
助成金を利用するだけで、テレワーク導入のハードルは下がります。テレワークの導入を検討している企業は本記事を参考に、テレワーク導入のための助成金を検討してみてはいかがでしょうか。
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