更新日:
2024/11/7

ビジネスマナーとして領収書や請求書などを郵送する場合には、送り状(送付状)を添えることが常識となっています。あまりに常識的なことなので、改めてその意味を考えたことのない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、領収書を郵送する際に、なぜ送り状を同封しなければならないかを考え、また送り状にはは何をどう書けばいいのか、さらにファックスやメール添付で領収書を送る場合にはどうすればいいのか、ということについて解説します。
ビジネスシーンで、領収書だけが入った封筒が郵送されてきたらどう思われるでしょうか。送る側にしてみれば、領収書のみを送っても意味は通じるし合理的だと思うかもしれませんが、受け取る側に立ってみると違和感を感じます。
私的なシーンで普段から親しくしている友人同士なら許されるかもしれませんが、ビジネスシーンでは、たとえ親しい間柄でも常識的な挨拶は必須です。
本来、領収書は手渡しが基本です。しかし仕事上の取引は会わずになされることも多いでしょう。領収書を郵送する場合には、直接手渡しができない分、相手に失礼のないようにしなければなりません。
また送り状がない場合、郵送された領収書がいつの取引か、どんな取引かといったことを、受け取った側が領収書から読み解かなければなりません。取引先には、そのような手間はできるだけかけさせないようにしたいものです。
たとえば、取引は3件あったのに領収書は2通しか同封されていなかったとしましょう。そうすると残りの1通は入れ忘れたのか、それともこれから送られてくるものなのかわからない、というようなことが起こります。
送り状に「領収書が何通はいっているか」などといった情報が記載されていれば、事実と違っていたときに間違いだとすぐ気づくことができます。また、送り状に担当者名や連絡先が書かれていれば、すぐその場で確認し対処することができるでしょう。
送り状には、領収書発行社(者)の名称、住所、電話番号、担当者名を書きますが、そこに会社の角印や担当者印を押印する場合があります。
必ずそうしなければならないわけではありませんが、押印されていれば領収書が正式なものであることの証明になりますし、信頼性も高まります。
以上のことから、送り状の主な役割は次のようになります。
取引先の自社への厚情に対する感謝を伝える
同封した領収書がいつの、どの取引に対するものかを伝える
内容に間違いはないかを確認する
もし問題があった場合には、どこに問い合わせればいいのかを伝える
場合によっては、補足説明欄を設けて、決められた書面の内容以外のことを付け加えるということもあるでしょう。
それでは、領収書を郵送した場合に添える送り状には、どのようなことを書けばいいのでしょう。ここまで見てきた送り状の役割を参照しながらご覧ください。
送り状の最初に、領収書を作成した日あるいは投函する日を右詰めで書きます。年は西暦でも和暦でも構いません。
次の段には宛名を左詰めで書きます。法人の場合には、(株)や(有)などと省略せず、「株式会社」「有限会社」と書きましょう。
敬称については、会社あるいは部署に宛てた文書で、誰が見てもいい場合には組織名の後に「御中」を使います。一方、担当者名も分かる場合には、個人名の後に「様」をつけます。両者を混在させてはいけません。
(例1)
株式会社◯◯◯◯◯◯ 御中
(例2)
株式会社◯◯◯◯◯◯
◯◯部 ◯◯◯◯◯様
同封した書類が領収書であることが分かるように、「領収書送付のご案内」あるいは「領収書送付のお知らせ」といったタイトルを書きます。
タイトルは、分かりやすく大きめの文字を使って、中央に置いてください。
いよいよ本文を書きます。ビジネスレターですので、必要なことを簡潔に、しかし漏れのないように書きましょう。
まず頭語として「拝啓」を書きます。続いて日頃の厚情に感謝する言葉を続けます。ここは決まり文句で構いません。時候の挨拶はビジネスシーンでは、とくに必要ありません。
入金のお礼とともに、領収書を同封していることを書きます。本文の最後には、結語として「敬具」を書きます。
通知事項であることを示すために中央揃えで「記」とタイトルを書き、行を改めて同封した領収書の枚数を書きます。
領収書の発行社(者)の名前、郵便番号、住所、電話番号、そして担当者がいる場合には担当者名を書きます。
場合によっては、ここに会社の角印あるいは担当者印を押印します。
補足事項を書きます。
これまでのことを踏まえてサンプルを作成しました。よろしければ参考にしてください。
領収書の郵送方法については、以下記事でも解説しているのでご参照ください。
ブログ|普通郵便はマナー違反?領収書の郵送方法について詳しく解説 |トドケールブログ
領収書をファックスやメールに添付して送るとき、注意すべきことや送り状(添え状)の書き方についての注意点を書きます。
領収書をファックスで送るのは、あまり勧められません。字が読みにくくなったり、相手に届かなかったりする場合があるからです。
ただし、支払った金額を知りたいなどの理由で、取引先がファックスで送ることを請求してきた場合などにはファックスで送ります。その場合には後から原本を送ったほうが丁寧です。
ファックスで領収書を送る場合は、他の書類をファックスを送る場合と同じようにファックス送信状の雛形に必要事項を書いて領収書に添付します。
最近ではメールに領収書を添付して送るということも、普通になってきました。メールは新しい通信方法ですので、紙の送り状に必要な「頭語・結語」といった手紙の慣習に縛られない文体でも通用いたします。
またメールという通信手段の特性から、問い合わせ先を省くことも可能です。もちろん省略しないという選択も可能ですが、信頼性を高めるためという性格が強くなります。
メールの特性を加味した送り状(送付状・添え状)のサンプルです。
なお、領収書をメールで送るにしてもメールに添付するにしても、電子的な送付には領収書に印紙を貼る必要はありません。もちろん、ファックスで送った領収書を後ほど紙で郵送する場合には、領収書に印紙を貼る必要があります。
請求書や領収書をファクシミリや電子メールにより貸付人に対して提出する場合には、実際に文書が交付されませんから、課税物件は存在しないこととなり、印紙税の課税原因は発生しません。
また、ファクシミリや電子メールを受信した貸付人がプリントアウトした文書は、コピーした文書と同様のものと認められることから、課税文書としては取り扱われません。
出典:「コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い」国税庁
領収書を送る際に添える送り状(送付状・添え状)は、ある程度定型化された文書で構いませんが、後々トラブルを避けるために、必要十分な情報は余さず書いておくことが必要です。
領収書を郵送する際に書くべき内容は、次のようなものになります。
送り状(送付状・添え状)を書いた日、あるいは投函する日
宛先(会社名あるいは担当者名)
頭語・結語
ご挨拶(日頃の厚情に感謝する)
送付内容(領収書◯通など)
発信元(会社名、郵便番号、住所、電話、ファックス、担当者)
備考
領収書をファックスまたはメールで送る場合には、上の「1」「3」は省略可能です。
領収書は、取引が完了したことを証明する信憑書類です。この領収書に添付する送り状(送付状・添え状)には、領収書が取引先に間違いなく確認してもらえるように記載し、トラブルを未然に防ぎましょう。
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