更新日:
2024/4/16

在宅勤務やテレワークで働く人が増えるなか、離れた場所同士でスムーズなコミュニケーションをはかるには、電子データでのやり取りが不可欠です。日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の調査によると、2021年時点における電子契約の導入率は67.2%となり、2015年の調査時より30ポイント近く増加したことがわかりました。
しかし電子契約システムを導入するには、予算の編入や既存システムの整備などに手間がかかるため、「そもそも電子契約書が何なのか知らない」「従来の書面契約とどのような点が異なるのか」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、書面契約や紙の契約書と比較しながら、電子契約・電子契約書の仕組みやメリットなどを解説します。
電子契約書とは、電子データによって作成された契約書類です。書面の契約書とは違い、紙状で出力されることはありません。また、サーバーやクラウドなどに電子的に保管されるところにも特徴があります。
従来の書面契約と比較すると電子契約書の特徴が理解しやすくなります。

電子契約と書面契約の違いについて、以下でより詳しく解説します。
電子契約書は電子データを媒体とする書類です。一方の紙の契約書は、紙を媒体としています。この媒体の差が、電子契約書と紙の契約書の大きな違いだといえるでしょう。
電子契約書であれば、わざわざ紙として出力する必要がありません。紙の購入費や印刷代、プリンターのインク代などのコストを抑えるには、電子契約書が有効です。
書面契約で認証を行うには、当事者が署名押印または記名押印する必要があります。
その点、電子契約では署名押印をする必要がありません。その代わり、電子契約書に電子サインか電子署名をします。
電子サインと電子署名は、どちらも電子契約書において本人であることを担保する方法ですが、その認証方法の違いによって2種類に分類されています。それぞれの違いは次の通りです。
電子サイン:メール認証をはじめとする認証とシステムログを利用して認証する
電子署名:署名者本人の電子証明書を利用して認証する
電子署名を行うには、第三者機関の電子認証局による審査を経て電子証明書を発行してもらう必要があります。手続きに厳格な審査を通過する必要があるため、電子サインよりも法的効力の高い本人認証が可能です。
書面契約の場合は、紙の書類に作成日付を直接記載します。これで、その日付に書類が作成されたことを証明できるということです。しかし電子契約の場合だと、書面にタイムスタンプを埋め込まなければなりません。
タイムスタンプとは、特定の時刻にその電子データが存在し、それ以降改ざんされていないことを証明するための技術です。本来の電子データとタイムスタンプに記載された情報を見比べることで、確実かつ簡単に事実を証明できます。
当事者同士で紙の契約書の内容を確認するためには、郵送やFAX、あるいは当事者が書面を持参するなど、費用や労力がかかる手続きが必要です。一方、電子契約書の場合、メールを1通送るだけで当事者の間で簡単に内容を確認できます。
電子契約のほうが手間も時間もかからず、発送費や印刷費まで抑えられます。
ビジネスで扱う契約書の多くは、法律によって一定期間の保存義務が定められています。会社法関連の書類は契約終了後10年間、税務関係の書類は7年間の保管が必要です。
現在は、電子帳簿保存法におけるスキャナ保存制度が導入されたことにより、紙の契約書をスキャンして保管できるようになりました。しかし、もともと電子データとしての保管が認められている電子契約書に比べ、手間がかかるのは否めません。
また民事訴訟においては、電子契約書は電子データが原本だと認定されるのに対し、紙の契約書をスキャナ保存したものは原本として認められない可能性があります。
紙の契約書から電子契約書に移行することで、どのようなメリット・デメリットが生まれるのか、以下で詳しく解説します。
電子契約書を導入するメリットは次の通りです。
印刷費や郵送代、それらに伴う人件費を削減できる
契約書をたくさん作成しても印紙税がかからない
契約書のスキャンや印刷などの手間が減り業務効率化がはかれる
いままで紙の契約書を保管していたスペースを有効活用できる
セキュリティに強いサービスを利用すれば、情報漏洩や紛失のリスクを緩和できる
本来、契約書に記載されている金額が1万円以上だと課税文書として扱われ、収入印紙を貼る必要があります。しかし、電子契約書をメールで取り交わす場合は、文書を作成したことにはならず、印紙税が課されません。
また、物理的に管理していた紙の契約書に比べ、電子契約書だと情報漏洩や紛失のリスクを抑えられる可能性があります。
たとえば、アクセス制限をかけてクラウド上に電子データを保管すれば、第三者に内容を盗み見られる危険性を最小化できます。契約内容の改ざんを防ぐために、電子署名とタイムスタンプを組み合わせるのも効果的です。
情報漏洩や紛失のリスクを取り除いた結果、ガバナンスとコンプライアンスの強化につながります。
電子契約書のデメリットは次の通りです。
契約の種類によっては電子契約書が認められないケースがある
セキュリティが低いとサイバー攻撃を受けるリスクが高まる
業務フローの更新やシステム整備など調整業務に手間がかかる
いまでこそ電子契約書の法的効力は、ほとんどのケースで認められるようになりましたが、法律に基づき紙面での交付が義務化されている一部の契約では、電子契約書が認められないケースもあります。
ただし、この点は徐々に法改正が進んでいます。たとえば借地借家法改正では、一般定期借地権の特約に電磁的記録が認められ、定期建物賃貸借にかかる事前説明書面をメールで送信することも可能になりました。
社内に電子契約システムを導入するには、電子契約サービスに申し込む方法が一般的です。
電子契約サービスは、契約書をはじめとするさまざまな書面の取り交わしをクラウド上で行える方法で、電子署名や電子証明書発行、タイムスタンプなど電子契約に必要な機能を備えています。
主要な電子契約サービスは以下の3社です。

電子契約サービスの導入時や電子契約書の作成時は、少なくとも次のような法律には目を通しておくようにしましょう。
電子署名法
電子帳簿保存法
それぞれの法律について詳しく解説します。
電子署名法とは、電子署名の方法や効力について規定した法律です。
電子署名は、「秘密鍵・公開鍵」という2種類の鍵を使って本人認証を行うところに特徴があります。公開鍵は自分以外の人にも公開されますが、本人がパスワードやIDなどで管理する秘密鍵とセットで認証を行うことで、確度の高い本人認証ができる仕組みです。
書面に適切な電子署名がついていれば、電子契約書にも紙の契約書の押印と同様の法的効果が生まれるため、裁判の証拠としても有効となります。
電子帳簿保存法とは、電子データによる帳簿・書類の保存方法を規定した法律です。国税関係帳簿や書類、電子取引に使用する書類ごとに適切な保存方法が決められています。
国税関係帳簿・書類や電子取引書類は、いままで紙による保存しか認められていませんでしたが、事務作業の効率化をはかるため徐々に条件が緩和されました。1998年の施行後、これまでに何度も法改正が行われ、2022年1月からは新たに改正電子帳簿保存法が施行されました。
法改正による変更点を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【2022最新】電子帳簿保存法の3つの改正ポイントと経理の対応策
実際に電子契約書を作成する際は、次のような手順で作業を進めます。
パソコンで契約書を作成
作成した契約書をPDFファイルなどに変換
電子署名とタイムスタンプを付与
メールなどを介して相手に電子契約書を送信
契約内容の確認と承認
契約を締結し、電子契約書を電子データとして保管
電子署名サービスであれば、こうした手続きを一気通貫で行えます。PDFファイルへの変換や電子署名の付与などの作業も、簡単なプロセスで済ませられるので便利です。
書面契約に比べて、書類の効率的な送信や保管ができる電子契約。紙の契約書から電子契約書に切り替えると、コスト削減や業務効率化、コンプライアンス強化などさまざまなメリットが生まれます。
現在は電子契約に関する法律が何度も改正され、電子契約書の効力や保存方法などの要件が大幅に緩和されつつあります。電子契約サービスと呼ばれる便利なサービスが多数登場するなか、当社でもペーパーレスな管理を促進できる「オフィスでトドケール」というサービスを提供しています。
トドケールは、オフィス内の郵便物の受け渡しを便利にできる配達物管理システムです。
「書類が届いているはずなのに、どこにあるのかわからない」と悩む、総務担当者の方も多いでしょう。トドケールを使えば荷物とデータを紐づけ、パソコンの画面上で郵便物の受渡完了率や1ヶ月の登録件数などが確認できるようになります。
郵便物の受け渡しを見える化・効率化させたい方は、以下の詳細ページをご確認ください。https://www.todoker.com/product_office
総務・ファシリティマネジメントの価値を最大化させる
資料やセミナーを提供しています
RECOMMEND
おすすめ記事
2023.01.15
郵便局の私書箱とは?利用するメリットや注意すべきデメリットを解説
郵便物の転送や保管に便利な郵便局の私書箱をご存じでしょうか。利用することで、郵便物を即座に回収できることや誤配・盗難のリスクが減少するな...
2022.01.22
郵便物の再配達依頼方法や時間の確認方法について解説
郵便局からの不在票が入っていた場合の再配達の依頼方法や荷物の受け取り方法についてご存じでしょうか?本記事では郵便物の再配達について解説す...
2022.08.06
郵便局のe転居とは?3ステップでわかる手続き方法
オフィスや事務所を移転した場合、わざわざ郵便局の窓口まで足を運んで転居手続きをするのが面倒、と感じる方も多いのではないでしょうか。このよ...

Tag