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【2022最新】電子帳簿保存法の3つの改正ポイントと経理の対応策

更新日:

2024/4/12

2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法は、2023年12月31日まで2年間の猶予があります。この改正では、データで受け取った書類の紙での保存が原則不可となりますが、猶予期間中は紙での保存が認められます。
そのため、法施行後の現在でも十分に対処が可能です。本記事では、電子帳簿保存法の3つの改正ポイントを解説したうえで、法施行後の現在でも行える経理の対応策をご紹介します。

目次

1. 電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法(電帳法)とは、国税関係の帳簿や取引用の書類に対し、電子保存することを認める法律です。
紙で取り扱うと手続きに時間がかかる書類を電子化することで、企業の生産性向上をはかろうと、1998年に施行されました。さらに2015年には、電子署名における義務化が廃止され、2016年にはスキャナ保存要件が緩和されています。
直近で改正が行われたのは、2022年1月1日です。新たな改正電子帳簿保存法が施行されたことで、電子データのやり取りや保存方法の要件が大きく緩和されることになりました。
従来の電子帳簿保存法からどのような点が変わったのか、後ほど詳しく解説します。

2. 電子保存の対象となる帳簿書類

電子保存の対象となる帳簿書類には、「国税関係帳簿・国税関係書類・電子取引の関係書類」という3つの種類があり、それぞれ保存方法が異なります。

  • 国税関係帳簿:
    国税にかかわる法律で保存が義務付けられた帳簿

  • 国税関係書類:
    法律で保存が義務付けられた書類で、決算関係書類と取引書類に分かれる

  • 電子取引の関係書類:
    国税関係帳簿書類を除いた書類の総称

2022年1月の法改正では、この3つの帳簿書類それぞれで細かく内容が変更されたため、各帳簿書類の種類や保存方法をしっかりと理解しておくことが重要です。

3. 電子帳簿保存法改正における3つのポイント

2022年1月の電子帳簿保存法改正で変更になる箇所は、次の通りです。

  • 国税関係帳簿・書類の要件緩和

  • 電子取引における電子データ保存の義務化

  • 税務処理の不備による罰則規定が強化

それぞれ詳しく解説します。

国税関係帳簿・書類の要件緩和

国税関係帳簿には仕訳帳や総勘定元帳など、国税関係書類には決算関係書類や見積書などの取引関係書類といった種類があります。取引関係書類のうち相手方から受領したものはスキャナ保存、それ以外の書類は電子データ保存が基本です。
電子帳簿保存法改正では、主にこうした帳簿書類の保存方法が緩和されました。ポイントは下表の通りです。

電子帳簿の保存要件と検索要件は、改正前と改正後で次のような違いがあります。

引用元:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

改正前は電子帳簿を保存するために、5種類の保存要件と3種類の検索要件を満たす必要がありました。しかし改正後は、最低3つの要件を満たすだけで電子データ保存が認められるようになります。
また、データ保存時の記録項目も、「取引年月日・取引金額・取引先」の3種類に限定され、より少ない労力で電子帳簿を保存できるようになりました。

電子取引における電子データ保存の義務化

電子取引の関係書類は、国税関係帳簿書類を除いた書類の総称です。電子取引にはEDI取引やインターネット取引、電子メール取引などがあり、紙の文書ではなくデータで授受する方法すべてが該当します。
電子取引において2022年1月の改正では、主に電子データ保存が義務化されたほか、次のような変更が行われました。

電子取引の区分においては、特に検索要件が大幅に緩和されました。国税関係帳簿の区分のように、税務職員のダウンロードの求めに応じられる場合、2つの要件が不要になったほか、売上高1,000万円以下の小規模事業者は検索機能そのものが不要となります。

引用元:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

また、さまざまな方法で授受する電子取引だけあり、データに応じて複数の改ざん防止措置が混在しても問題はありません。電子データの保存先も複数箇所に分けることが可能です。
とはいえ、保存場所が分散すると電子データの管理が複雑化するため、業務上は一元管理できる体制を整えておくことが望ましいといえるでしょう。

税務処理の不備による罰則規定が強化

2022年1月の改正で電子データ保存やスキャナ保存の一部要件が緩和されたことで、適正な保存を担保するため、代わりに税務処理上の不備があった場合の罰則が強化されました。隠ぺいや偽装などの悪用が明らかになった場合、申告漏れとして重加算税が10%加重されます。
スキャナ保存が行われた国税関係書類、または電子データ保存が行われた電子取引の書類が対象です。

4. 電子帳簿保存法改正後の対応方法

電子帳簿保存法改正後の4つの対応方法をご紹介します。

  • 各保存方法におけるシステム要件を把握する

  • ファイル名の作成ルールを作る

  • 改正電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを導入する

  • システムの整備が困難なら事務処理規定を整備する

各保存方法におけるシステム要件を把握する

電子データ保存とスキャナ保存におけるシステム要件を把握しておきましょう。要件を把握しておくことで、適切なシステム導入や社内の環境整備ができるようになります。
改正電子帳簿保存法におけるシステム要件は次の通りです。

  1. システム関係書類を備え付けること
    システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアルなど

  2. 保存場所に見読可能装置を備え付けること
    パソコン、ディスプレイ、プリンタ、アプリなど

  3. 「取引年月日・取引金額・取引先」を検索条件として設定できること

  4. 速やかにタイムスタンプを付与すること

  5. 税務職員による質問検査権に基づきデータをダウンロードできること

ファイル名の作成ルールを作る

改正電子帳簿保存法においては、電子データ保存やスキャナ保存するデータに「取引年月日・取引金額・取引先」を付与し、検索機能の確保を心がける必要があります。そのため帳簿や書類を保存する際は、あらかじめ社内でルールを決めておきましょう。
具体的には取引年月日・取引金額・取引先を電子データと結びつける、索引簿機能を持つソフトを導入する方法があります。ほかにも、「20220610150000(株)○○商事」のように、ファイル名に取引年月日・取引金額・取引先を付与する方法でも対処可能です。

改正電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを導入する

電子帳簿保存法改正に伴い、専用の会計ソフトを導入するのも方法の一つです。いまでは新しい電子帳簿保存法に対応した会計ソフトやクラウドサービスが数多く登場しています。
たとえば、改正電子帳簿保存法の保存要件に合うようファイルを自動保存してくれるソフトなら、経理処理にかかる時間や労力を最小限に抑えられます。また、銀行やクレジットカードのデータと連動しながら記帳・保存できるソフトも存在します。

システムの整備が困難なら事務処理規定を整備する

予算が少なく、または時間がなくシステムの整備が難しい場合は、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を整備・運用しましょう。これにより電子帳簿保存法が定める改ざん防止処置に適用するようになり、タイムスタンプを付与するためのシステムが不要になります。
事務処理規定を整備するには、国税庁が用意している「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のフォーマットを自社用に書き換えるだけです。

5. まとめ

2022年1月1日に改正された電子帳簿保存法。今回の改正では、国税関係帳簿書類や電子取引の関係書類における保存方法が大幅に緩和されました。変更点をよく理解し、適切な運用を行うことで、経理業務の生産性が向上します。
まだ対応が追いついていない場合は、システム要件の把握や保存ルールの策定、必要システムの導入などの方法で、十分に対処が可能です。猶予期間は2023年12月31日までとなっているため、期限に間に合うよう準備を進めましょう。

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