更新日:
2026/8/4

常時雇用の労働者数が301人以上の企業は、女性活躍推進法の対象企業となり、一般事業主行動計画の策定や公表を実施しなければなりませんでしたが、2022年4月の法改正により、常時雇用の労働者数が101人以上の企業へと拡大されました。
そのため、行動計画をどのように策定・公表すればよいか悩んでいる中小企業経営者の方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、女性活躍推進法における行動計画の策定方法や公表方法を徹底解説します。
女性活躍推進法とは、女性が自分の個性やスキルを十分に発揮できる社会の実現を目指して制定された法律です。正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といいます。
女性活躍推進法は2016年4月に施行され、2025年度までの時限立法となります。その間、条件にあてはまる事業主は、行動計画の策定や情報公表の義務を負います。
女性活躍推進法は、次の3つの基本原則によって成り立っています。
女性に対する採用や昇進の機会を積極的に提供すること
職業生活と家庭生活を両立させるために必要な環境を整備すること
職業生活と家庭生活の両立は本人の意思が尊重されること
企業が取り組むべき具体策としては、自社の女性の活躍状況を把握し、改善点や課題を分析したうえで数値目標を設定します。その目標にもとづき行動計画を策定・公表しなければなりません。
作成した行動計画は都道府県労働局へ提出します。なお、提出しないからといって罰則はありませんが、是正勧告が実施される可能性もあるので注意が必要です。
2016年に女性活躍推進法が施行されたのは、次のような背景があります。
将来的な人手不足や労働力不足を解消するため
就業を希望しているものの、育児や介護を理由に働けない女性を支援するため
出産や育児による離職が原因で能力を発揮できない問題を解消するため
女性がより働きやすいと感じたうえで、長期的にキャリアを形成できるように、法律の制定によって一般事業主や地方公共団体に改革を求めました。女性活躍推進法は女性労働者だけではなく、企業側にも労働力不足の解消や従業員のモチベーション向上といったメリットをもたらします。
女性活躍推進法に取り組む場合は、次の5つの手順に沿って各種手続きを進めましょう。
女性の活躍に関する状況を把握
行動計画の策定
行動計画の周知徹底
行動計画の公表
行動計画の届出
女性労働者に対して機会の提供や環境整備が適切に行われているかという点を念頭に、女性の活躍に関する状況を把握しましょう。必須項目は以下の4点です。

参照元:令和4年4月1日から女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・届出、情報公表が101人以上300人以下の中小企業にも義務化されます|厚生労働省
各項目を算出した結果から自社の課題をあぶり出します。課題点は行動計画を策定する際に記入するため、複数の候補を抽出するようにしましょう。
以下に課題点の例をあげます。
女性に適した業務がないという先入観があり、思うように女性の採用が進まない
残業の多さから仕事と家庭の両立が難しく、結婚や出産を機に退職する女性が多い
女性社員比率に比べて女性の管理職比率が低い
課題分析を踏まえたうえで一般事業主行動計画を策定します。行動計画には必ず盛り込まなければならない項目もあるので、注意が必要です。以下の内容を参考に行動計画を策定します。

厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」では、一般事業主行動計画の策定例が公開されています。雛形としても活用できるため、計画策定の際に参考にしてみてください。
策定した行動計画を、非正規社員を含めたすべての労働者へ周知します。従業員の目につきやすい社内掲示板やイントラネット(社内ネットワーク)などへ掲載するほか、社内会議や朝礼などを通じて漏れのないように周知徹底しましょう。
行動計画は社内通知だけではなく、外部にも公表しなければなりません。外部公表を行うには、次のような方法が活用できます。
自社ホームページのお知らせから通知する
自社ホームページの採用ページに掲載する
厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に登録する
常時雇用の労働者数が101人~300人の場合、以下の項目から必ず1項目以上を選択して公表する必要があります。

常時雇用の労働者数が301人以上の場合は、新たに「男女の賃金の差異」という項目を公表しなければなりません。公表する項目は、上表の「①から1項目+②から1項目+男女の賃金の差異」の計3つとなります。
男女の賃金の差異については、以下の例を参考にしてください。

参照元:女性活躍推進法に関する制度改正のお知らせ|厚生労働省
策定した行動計画を都道府県労働局に届け出ます。厚生労働省のホームページから「一般事業主行動計画策定・変更届」をダウンロードし、必要事項を記載したうえで提出します。提出方法に関しては、窓口への届出や郵送のほか、電子申請も可能です。
一般事業主行動計画を届け出た事業主のうち、優良な取り組みを行うような場合には、「えるぼし認定」が付与されます。認定を受けると、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」を、通常よりも低金利で利用できるといったメリットが生まれます。

女性活躍推進法は女性が自分の個性やスキルを十分に発揮できる社会の実現を目指して制定されました。女性が活躍できる社会を目指し、過去に幾度も法改正が行われています。
手続きはやや面倒なようにも感じますが、人手不足が深刻になる中で女性を労働力として雇用することは企業にとって競争力につながることは事実でもあります。適切な施策を実施し、その内容を広く公表することで、企業イメージや採用効率の向上が期待できます。より女性活躍推進法を有効に活用したい場合は、厚生労働省から「えるぼし認定」を取得することをおすすめします。
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