更新日:
2025/5/20

事務所移転は多くのタスクを伴う大規模なプロジェクトです。スムーズに進めるためには、適切な計画と事前準備が欠かせません。本記事では、事務所移転のスケジュールと必要なタスクを時系列で詳しく解説します。各ステップを理解し、無駄のない移転を実現しましょう。

事務所移転には一般的に6か月以上かかるケースが多いといわれています。その期間内に、物件や引越し業者の選定、レイアウト設計、退去準備、各種手続きなど、多岐にわたるタスクを計画的に進めることが求められます。ただし、事務所の規模や状況、移転の目的によっても期間は変化するため、まずは自社にとって必要な準備期間を設定することが重要です。余裕を持ったスケジュールを確保することで、移転による業務への影響を最小限に抑えることができ、万が一トラブルが起きた場合にも対処しやすくなります。

事務所移転をスムーズに行うためには、早い段階からの準備が欠かせません。ここでは、事務所移転の事前準備として必要なタスクを解説します。
事務所移転を円滑に進めるためには、多様な視点と専門知識を持つメンバーで構成されたプロジェクトチームの編成が不可欠です。適切なチームを組成することで、各工程の抜け漏れを防ぎ、スムーズに計画を進めることができます。そのためには、異なる部門から代表者を選出し、それぞれの専門分野を活かした役割分担を行うことが重要です。
以下は、プロジェクトチーム編成の一例です。
経営部門:移転全体の方針決定や予算管理を担当
総務部門:社内外の連絡や契約手続き、備品管理、スケジュール調整など、プロジェクトを円滑に進行するための中心的な役割を担当
IT部門:ネットワークやシステムの移行を担当
人事部:従業員の意見を取り入れる社内ヒアリングを担当
このように役割を明確にすることで、各メンバーが自分の責務を理解し、移転プロジェクトに主体的に関わることができます。
事務所移転を成功させるには、現事務所の課題を洗い出し、移転によって何を実現したいのか明確にすることが不可欠です。単に「手狭になったから」「賃料が高いから」といった理由だけで進めるのではなく、具体的な改善点を設定することで、移転の方向性がより明確になります。
以下のステップを踏むと、移転の目的を定めやすくなります。
1. 現事務所の課題を洗い出す
社員数の増加によるスペース不足
賃料や維持費の見直し
立地の利便性や取引先とのアクセスの問題
契約している建物の老朽化
2. 移転で実現したいことを設定する
生産性の向上:快適なスペースの確保、レイアウトや設備の導入
コスト削減:賃料や維持費の最適化
ブランド力強化:業界の中心地への移転
人材確保:魅力的な事務所環境の整備
働き方改革:テレワーク対応やフリーアドレス化
移転の方向性が定まることで、新事務所の選定やレイアウト設計がスムーズに進むようになります。
移転の目的が決まったら、事務所移転のサポート業者を選定しましょう。事務所の移転には、引越し作業、内装工事、ITインフラ構築、レイアウト設計など、さまざまな業務が含まれます。自社のニーズに合った業者を選ぶことで、移転の負担を大幅に軽減できます。
サポート業者の種類 | 特徴 |
|---|---|
移転の専門業者 | 物件探し、レイアウト設計、引越し作業、内装工事など、移転に関する業務を総合的にサポート。窓口を一本化できるため、スケジュール管理やコスト調整がしやすい。 |
引越し業者 | 荷物の梱包、輸送、搬入、新事務所での家具配置などを担当。事務所移転の実績が豊富な業者を選ぶと、精密機器や事務所家具の運搬がスムーズ。 |
内装工事業者 | 旧事務所の原状回復工事や、新事務所の壁・床・電気配線・通信設備の施工を行う。移転スケジュールに影響しないよう、早めに手配することが重要。 |
ITインフラ業者 | ネットワーク環境の構築、PCやサーバーの移設、セキュリティ対策を担当。業務に支障をきたさないよう、移転前から準備を進めることが推奨される。 |
レイアウトプランナー | レイアウト設計や動線計画を行い、快適で効率的な事務所環境を提案。業務の流れや社員の動線を考慮し、最適な配置を計画する。 |
どこまでの業務を依頼できるかは、業者によってもさまざまです。まずは自社が依頼したい業務内容を明確にし、業者の対応範囲と照らし合わせて選定することが大切です。また、見積もりは複数の業者に依頼し、作業範囲や費用を比較したうえで決定しましょう。
新しい事務所に求める条件(立地、広さ、賃料など)を整理し、不動産会社や移転の専門業者と連携して最適な物件を探します。事務所の立地は、従業員の通勤時間や主な取引先とのアクセスの良さを考慮して選ぶことが重要です。主要駅からの距離、周辺環境(飲食店、銀行、郵便局など)の利便性なども確認しましょう。また、事務所の広さやレイアウトは、現在の従業員数だけでなく、将来的な増員計画を考慮する必要があります。さらに、入居コスト(賃料、保証金、更新料、不動産手数料、退去時の費用など)についても総合的に確認し、比較検討を行いましょう。
新事務所が選定できたら、現在契約している事務所の賃貸契約書の内容を確認し、解約予告を行います。事務所の退去時には、一般的に6か月以上前に解約予告が必要な場合が多いため、早めの確認が必要です。また、解約予告のタイミングは、新事務所の契約と同時に行うことで「現事務所の解約日までに新事務所に入居できない」などのトラブルや、無駄な賃料負担が発生しないよう調整できます。さらに、解約時に発生する可能性がある費用(敷金の返還、解約違約金、原状回復工事の義務など)も、この時点で確認しておきましょう。
事務所の移転には少なくとも6か月以上かかるため、それよりも前の段階で移転の進捗を管理するスケジュール表を作成しましょう。スケジュールを組む際には、事務所を退去する日から逆算すると、原状回復工事や引越し作業の計画が立てやすくなります。
スケジュール作成時には、各タスク(契約手続き、内装工事、ITインフラ構築、原状回復工事など)をリストアップし、いつまでに何を完了させるべきかを明確にすることが重要です。プロジェクト管理ツールを活用し、各担当者のタスクと期限を共有することで進捗の遅れを防ぐことができます。また、移転スケジュールの策定には、外部業者(不動産会社、引越し業者、内装業者など)のスケジュールも関係するため、早めに連携を取ることが大切です。

ここでは、新事務所に移転する6か月前のスケジュールについて詳しく解説します。
移転の目的に沿って、新しい事務所のレイアウト設計を行いましょう。レイアウト設計では、社員や来客者の動線を考慮し、快適なスペースを確保することが重要です。また、会議室や休憩スペースの配置を工夫することで、コミュニケーションの活性化や業務効率の向上が期待できます。さらに、緊急時の避難経路を確保し、安全な事務所環境を整えることも欠かせません。 レイアウト設計は専門知識が必要なため、移転の専門業者やレイアウトプランナーに依頼するのも有効です。プロのアドバイスを取り入れることで、より快適で機能的な事務所を実現できます。
原状回復工事とは、事務所を契約時の状態に戻す作業のことです。まずは、賃貸契約書を確認し、原状回復の範囲を把握することが重要です。また、貸主や管理会社が工事業者を指定している場合があるため、事前に確認しておくことも大切です。業者を選定する際は、複数の業者から相見積もりを取り、必ず価格の妥当性を比較しましょう。
原状回復工事は旧事務所の契約期間内に完了しなければならないケースが多いため、早めに業者を選定し、必要な日数を考慮したスケジュール調整を行う必要があります。事務所の規模にもよりますが、100平米未満であれば一般的な工事期間は1〜3週間程度といわれています。あらかじめ業者とスケジュールを調整しておき、移転後すぐに工事に着手してもらうことで、無駄な家賃が発生するリスクを抑えましょう。

こでは、新事務所に移転する5か月から4か月前のスケジュールについて詳しく解説します。
新事務所のレイアウト設計を確定し、内装工事を開始する時期です。工事期間は事務所の規模や内容によって異なりますが、一般的には1か月〜1か月半ほどかかるため、移転日に間に合うよう余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また、工程表通りに作業が進んでいるかを確認するため、業者とは定期的にミーティングを行い、トラブルが起きた場合に備えましょう。
什器や設備の納品スケジュールを把握し、移転後すぐに業務を開始できるよう準備を始めます。現在使用している什器を継続利用するのか、新しく購入するのかを判断し、新事務所の広さや間取りに応じて必要な什器を選定しましょう。什器の搬入にはビルの管理会社との調整も必要なため、エレベーターの使用制限や搬入経路を事前に確認し、スムーズな納品作業ができるよう計画的に進めましょう。また、ネットワーク回線や電話機、コピー機などの移設手配も移転当日までに完了させる必要があります。
ここでは、新事務所に移転する3か月から2か月前のスケジュールについて詳しく解説します。
事務所移転に伴う社内説明会を開催し、従業員への情報共有を徹底しましょう。移転計画の背景や目的、新事務所の所在地や設備、移転スケジュールなどを説明することで、社内の認識を統一できます。また、質疑応答の時間を設けることで社員の不安や疑問を解消し、移転への理解と協力を得やすくなります。必要に応じて、複数回の説明会を実施し、進捗を定期的に報告しましょう。さらに、移転当日のスケジュールや流れ、役割を事前に共有しておくことも大切です。
事務所移転の通知は、移転の2〜3か月前には取引先や顧客へ案内を送付するのが一般的です。通知の方法としては、正式な挨拶状としてはがきや手紙で送るのが一般的なマナーですが、状況に応じてメールやFAXで併せて案内するのも有効です。挨拶状には、新住所・移転日・連絡先などを明確に記載しましょう。また、送付先リストを作成しておくと、通知漏れを防ぐことができます。

ここでは、新事務所に移転する1か月前のスケジュールについて詳しく解説します。
新事務所のネットワークや設備、レイアウトの最終チェックを行い、スムーズに業務を開始できるか確認しましょう。まず、什器や設備の設置状況を確認し、デスクや椅子、キャビネットの配置が適切か、動線が確保されているかなどをチェックします。また、インターネット回線や電話機、プリンターの接続テストを行い、不具合がないか確認しましょう。電話機は、内線番号の設定や動作確認を行い、社内外の連絡がスムーズに取れるように整備しておきます。電話番号を変更している場合は、転送設定も必要です。移転後にトラブルが起きると業務に支障が出るため、1か月前には体制を整えておくことが大切です。
荷造りを開始するにあたって、まずは必要なものと不要なものの整理から始めましょう。不要な書類はシュレッダーや溶解処理サービスを利用して破棄し、不要な備品などは廃棄計画を立てて管理します。
不用品の整理ができたら梱包作業を開始します。使用頻度の低い備品や書類は早めに梱包を開始し、日常的に使用するものは移転の直前に梱包するのが一般的です。また、段ボールにラベルシールを貼ることで、梱包後でもすぐに内容物がわかり、引越し先の置き場を記載することも可能です。さらに、荷造りリストを作成し、荷物の種類、梱包方法、梱包期日を記載することで管理がしやすくなります。
事務所移転に伴い、社内の情報を最新の住所に更新する必要があります。住所変更が必要なものをリスト化し、移転後すぐに対応できるよう準備しておくと安心です。
住所変更が必要な項目例 | 詳細 |
|---|---|
会社のWebサイト | 企業の公式サイト内にある「会社概要」や「アクセス情報」などのページを更新し、新住所を正しく反映させる。 |
従業員の名刺 | 旧住所が印刷されている名刺は、新事務所の情報に更新し、移転後すぐに使用できるよう準備する。 |
社用封筒や印刷物 | 取引先とのやり取りで使用する封筒やパンフレットなどの印刷物を新しい住所に修正し、必要な分を発注しておく。 |
社内外で共有するフォーマット | 社内外で使用するフォーマットに旧住所が含まれていないかチェックし、修正する。 |
社名・住所入りの印鑑 | 会社の住所が刻印された印鑑がある場合は、新住所に変更しておく。 |
通販サイトなどの登録住所 | 通販サイトなどに登録している場合は、新住所に変更しておく。 |
これらの情報を更新し、移転後もスムーズに業務を進められるよう準備を整えましょう。
郵便局で転送サービスの手続きを行うことで、旧住所あての郵便物を新住所へ1年間無料で転送してもらうことができます。登録完了までに3~7営業日ほどかかるため、新事務所へ移転する少し前には申請を済ませておくのが理想です。ただし、転送期間は「届出日から1年間」となるため、あまり早すぎる申請も避けましょう。手続きは郵便局の窓口やポスト投函のほか、オンラインの「e転居」でも可能です。転送期間が過ぎると郵便物は差出人に返送されてしまうため、必要であれば再度手続きを行いましょう。
ここでは、事務所移転後のスケジュールについて詳しく解説します。
新事務所への移転が完了したら、速やかに原状回復工事を開始します。そのためには、移転前から業者とスケジュールを調整し、工事の開始時期を確保しておくことが重要です。工事が長引くと余計な賃料が発生する可能性もあるため、定期的に業者から進捗報告を受けるようにしましょう。また、工事が完了してしまうと確認できない部分もあるため、必要に応じて担当者が中間検査を行うと安心です。
移転後は、法務局や年金事務所などの公的機関への手続きが必要です。これらの手続きには期限が定められていることが多いため、早めに対応しましょう。
提出先 | 詳細 |
|---|---|
法務局 | 本店移転後2週間以内に、移転先の管轄法務局で登記変更手続きを行う。 |
税務署 | 移転後速やかに異動届出書を提出し、法人税や消費税の納税地を変更する。 |
労働基準監督署・ハローワーク | 移転後10日以内に、雇用保険関係の届出を提出する。 |
年金事務所 | 移転後5日以内に、社会保険関連の届出を提出する。 |
銀行・クレジットカード会社 | 住所変更手続きを行う。 |
遅れると過料が科せられる可能性もあるため、これらの手続きは移転後すぐに進めることが大切です。

事務所移転は、業務効率の見直しやデジタル化を進める絶好のチャンスです。なかでもよく見落とされがちなのが、郵便物や宅配物の管理業務。これまでアナログで処理していた「届いたものを誰に渡すか」という煩雑なフローを、移転とともに見直しませんか?
クラウド郵便管理サービス「トドケール」は、届いた郵便物をスマートフォンで撮影するだけで、宛先や差出人をOCRで読み取り、自動でデータ化。情報はクラウドに記録され、受取人にはメールやSlackで通知が届きます。社員は出社せずに「社内配送」「スキャン送付」「廃棄」などの処理指示を出せるため、リモートワークとの相性も抜群です。
総務担当者が受け取った郵便物を、迅速かつ正確に社内へ“見える化”して届けられる──そんな体制を、「トドケール」で新しい事務所に導入してみませんか?
事務所移転は単なる引越しではなく、組織の課題を解決し、理想とする会社の姿を実現するための重要なプロジェクトです。成功に導くには、明確な目的設定とプロジェクトチームの編成、そして各工程を可視化したスケジュール管理が重要です。さらに、移転にはレイアウト設計やネットワーク環境の構築など、専門的な知識が必要なタスクも多く含まれるため、信頼できる専門業者への依頼も視野に入れましょう。余裕を持った計画を立て、移転を会社の成長につなげる好機として進めていくことが大切です。
総務・ファシリティマネジメントの価値を最大化させる
資料やセミナーを提供しています
RECOMMEND
おすすめ記事
2023.01.15
郵便局の私書箱とは?利用するメリットや注意すべきデメリットを解説
郵便物の転送や保管に便利な郵便局の私書箱をご存じでしょうか。利用することで、郵便物を即座に回収できることや誤配・盗難のリスクが減少するな...
2022.01.22
郵便物の再配達依頼方法や時間の確認方法について解説
郵便局からの不在票が入っていた場合の再配達の依頼方法や荷物の受け取り方法についてご存じでしょうか?本記事では郵便物の再配達について解説す...
2022.08.06
郵便局のe転居とは?3ステップでわかる手続き方法
オフィスや事務所を移転した場合、わざわざ郵便局の窓口まで足を運んで転居手続きをするのが面倒、と感じる方も多いのではないでしょうか。このよ...

Tag