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2022年の法改正まとめ|人事・労務担当者が押さえておきたい対応策

更新日:

2024/4/16

企業経営にかかわる法律はこれまでに何度も変更が加えられ、そのたびに企業担当者に対応が求められてきました。このような一つひとつの法律を、改正のたびに情報を調べなければならないのは面倒なものです。
そこで本記事では、2022年に改正・施行される法律で、特に人事・労務担当者が押さえておきたいものをまとめました。

  • 育児・介護休業法

  • 雇用保険法

  • 健康保険法

  • 厚生年金保険法

この記事では、各法律の改正ポイントや適切な対策についてご紹介します。

目次

1. 育児・介護休業法の改正ポイント

育児・介護休業法とは、育児や介護を行う従業員の離職を防ぎ、仕事と家庭生活を両立できるようサポートするための法律です。1歳未満の子どもを持つ従業員の養育を目的とした「育児休業制度」と、要介護状態になった家族の介護が目的の「介護休業制度」の2種類の制度に分かれます。
育児・介護休業法は2021年6月に改正され、2022年4月から段階的に制度が施行されています。改正法が施行されるタイミングは2022年4月、2022年10月、2023年4月の3回に分かれているため、ここではそれぞれの改正ポイントを解説します。

2022年4月1日に施行される改正法のポイント

2022年4月1日に施行される育児・介護休業法の改正ポイントは、次の3点に分類できます。

  • 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備を義務化

  • 妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け

  • 有期雇用労働者の育児・介護休業取得の要件の緩和

このような変更に対応するために、企業は次のいずれかの措置を義務的に行わなければなりません。

  • 育児休業に関する研修の実施

  • 相談窓口の設置

  • 自社の育休取得の事例を労働者へ提供

  • 育児休業制度等の方針の周知

2022年10月1日に施行される改正法のポイント

2022年10月1日に施行される育児・介護休業法の改正ポイントは、次の3点に分類できます。

  • 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設

  • 改正前に不可能だった育児休業の分割取得が可能に

  • 育休取得期間の幅が拡大

産後パパ育休は、子どもの出生から8週間以内に取得できる育休制度で、最長4週間まで休みがとれます。取得希望の2週間前までに申請するのが条件で、休暇時期を従業員が自由に選べるのが特徴です。
また、2022年10月からは要件を満たすと、子どもが1歳を過ぎたタイミングから育休を取得できるようになります。法改正前に1歳もしくは1歳半でしか取得できなかった点と比べて、育休取得期間の幅が拡大しています。

2023年4月1日に施行される改正法のポイント

2023年4月からは、事業者に男性従業員の育児休業取得状況の公表が義務付けられます。公表ペースは年1回で、常時雇用の従業員が1,000人を超える事業者が対象です。
具体的には、次の2つのいずれかを公表する義務があります。

  • 男性の育児休業等の取得割合
    前年度中に育児休業した男性従業員数 ÷ 前年度中に配偶者が出産した男性従業員数

  • 育児休業等と育児目的休暇の取得割合
    (前年度中に育児休業した男性従業員数 + 育児を目的とした休暇制度を利用した男性従業員数)÷ 前年度中に配偶者が出産した男性従業員数

2. 雇用保険法の改正ポイント

雇用保険法とは、労働者の生活と雇用の安定や失業予防、雇用機会の増大などを目的に制定された法律です。事業者は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれる従業員に対して、必ず雇用保険への加入手続きを行わなければなりません。
改正雇用保険法は、2022年4月1日に施行されました。うち一部の制度は2022年10月1日に施行されるため、人事・労務担当者は以下のポイントを押さえておきましょう。
法改正のポイントは次の2つに分かれます。

65歳以上の副業・兼業者の雇用保険加入が容易に

今回の法改正では、高年齢者を対象とした雇用保険適用に関する特例が設けられました。次の3つの要件を満たした従業員は、雇用保険の二重加入が認められるようになります。

  • 2ヶ所以上の事業所で雇用される65歳以上の高齢者である

  • それぞれの事業所における1週間の所定労働時間が20時間未満である

  • それぞれ5時間以上働く複数事業所における1週間の所定労働時間合計が20時間以上である

つまり、65歳以上の副業・件業者で、2ヶ所の事業所における1週間の合計労働時間が20時間を超えていれば、どちらか一方の事業所か両方の事業所で雇用保険に加入できます。

雇用保険料率の引き上げ

新型コロナウイルスによって雇用調整助成金の支給額が累計5兆円を超えた結果、現在の雇用保険財政は積立金が枯渇する厳しい状況が続いています。そこで2022年4月より、雇用保険料率が二段階で引き上げられることになります。
雇用保険料率が引き上げられるタイミングは、2022年4月1日と2022年10月1日の2回です。それぞれの雇用保険料率は次のようになります。

※建設・農林水産・清酒製造以外の事業の場合
参照元:令和4年度雇用保険料率のご案内|厚生労働省

3. 健康保険法・厚生年金保険法の改正ポイント

健康保険法とは、労働者とその被扶養者が見舞われる可能性のある病気やけがなどに関する保険給付について定めた法律です。厚生年金保険法とは、民間企業で働く人が対象となる厚生年金について定めた法律です。
それぞれの改正法は2022年10月1日から施行され、社会保険の適用対象が拡大されます。
具体的には、特定適用事業所で働くパート・アルバイトなどの短時間労働者が、健康保険や厚生年金保険の被保険者となります。適用対象になるには、以下の要件をすべて満たさなければなりません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

  • 2ヶ月を超える雇用期間が見込まれること

  • 賃金の月額が8万8,000円以上であること

  • 学生でないこと

また、特定適用事業所の範囲が拡大されるのもポイントです。
法改正前は、常時500人を超える短時間労働者を除く被保険者がいる事業所を特定適用事業所と定めていましたが、2022年10月1日からは、その総数が100人超となります。つまり、従業員数の少ない中小企業も、今後は特定適用事業所とみなされる可能性が高まったといえます。

4. まとめ

今回は、人事・労務担当者が押さえておきたい2022年の法改正まとめを紹介しました。
育児・介護休業法は、2022年4月より3回のタイミングに分けて施行されます。それぞれのタイミングで施行される内容をしっかりと理解しておき、段階的に適切な法対応を進めましょう。
雇用保険法や健康保険法、厚生年金保険法の改正ポイントは、育児・介護休業法に比べてシンプルですが、雇用保険料率の引き上げや社会保険の適用対象拡大など、自社のビジネスに影響する重大な変更が加えられます。
今後もこうした法律は、時代の流れに合わせて見直される可能性が高いため、なるべく早めの情報収集を心がけて迅速な対応を行いましょう。

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