更新日:
2025/5/30

働き方改革を推進するうえで、ITの活用は欠かせません。ITを活かせば、業務効率化やリモートワークの促進、長時間労働などのさまざまな課題を解決できます。本記事では、働き方改革を加速させるITツール8選と導入時のポイントを解説します。自社に適したIT活用方法を見つけて働きやすい環境を整えましょう。

働き方改革とは、労働者が自身のライフスタイルや事情に応じて、多様で柔軟な働き方を選択できるようにするための取り組みです。背景には、日本社会が直面している「少子高齢化による生産年齢人口の減少」や「働き方の多様化」といった課題が関係しています。
この改革の目的は、仕事と育児・介護の両立をしやすくし、誰もが働きやすい環境を整えることです。その結果、労働者のワークライフバランスの向上や、生産性の向上につながると考えられています。また、政府もこの取り組みを「一億総活躍社会」の実現に向けた重要な政策のひとつとして推進しています。
一億総活躍社会とは、
少子高齢化という日本の構造的な問題について、正面から取り組むことで歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持
一人ひとりの日本人、誰もが、家庭で、職場で、地域で、生きがいを持って、充実した生活を送ることができること

働き方改革の柱である「労働時間の是正」「多様で柔軟な働き方」を実現させるためにはITツールの導入が不可欠です。ここでは、ITがどのように働き方改革を支えているのか、2つの観点から解説します。
人手不足が深刻化し、時間外労働にも厳しい上限が設けられるなか、限られたリソースで成果を上げるには「労働生産性の向上」が不可欠です。しかし、個人のスキルやスピードに依存するだけでは限界があります。そこで鍵となるのが、ITツールの活用です。たとえば、業務の自動化ツールやプロジェクト管理ツールを導入すれば、作業時間の短縮だけでなく、ミスの削減や業務の見える化にもつながります。その結果、企業は人件費を抑えながら効率的に成果を出せる体制の構築が可能です。こうした理由から、ITの活用は働き方改革において欠かせない手段となっています。
働き方改革が目指す「多様な働き方の実現」には、時間や場所の自由、雇用形態の柔軟性、副業・兼業の促進など、さまざまな要素が含まれます。しかし、育児や介護をしながら働く人など、実際には仕事と生活のバランスを取るのが難しいと感じる人も多いのが現状です。こうした課題を解決し、多様な働き方を実現するためには、ITの活用が欠かせません。
たとえば、Web会議システムやクラウドストレージを導入すれば、オフィスに出社しなくても業務が進められ、リモートワークがスムーズに実施できます。これにより、育児や介護をしながら働く人や、地方に住みながら都市部の企業に所属する人も、仕事を続けやすくなります。このように、多様な働き方を支えるためには、ITツールの導入が今後さらに重要になっていくでしょう。

働き方改革を実現するためには、業務の効率化や柔軟な働き方を支援するITツールの活用が欠かせません。ここでは、働き方改革を加速させるために役立つ8つのITツールを紹介します。
電子承認システムとは、申請や承認のプロセスをデジタル化し、Web上で完結できる仕組みのことです。電子承認システムを導入すれば、担当者の不在による業務の停滞を防ぎ、承認の進捗状況をリアルタイムで把握できます。結果として、確認作業の手間を減らしながら、承認スピードの向上が可能です。さらに、書類のデジタル化によって検索・共有・保管も簡単になり、業務全体の効率化やオフィスの省スペース化にもつながります。また、電子承認システムは、業務効率の向上だけでなく、テレワーク環境の整備やコンプライアンス強化にも貢献する重要なITツールのひとつでもあります。
代表的なサービス
チャットツールとは、リアルタイムでメッセージのやり取りができるコミュニケーションツールのことです。メールに比べて手軽に使えるうえ、即時性が高いため社内外のやり取りがスムーズになり、業務のスピードアップにつながります。こうした利便性から、多くの企業が導入しています。また、マルチデバイス対応のため、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでも利用可能です。オフィスに戻らずに業務連絡ができるため、無駄な移動時間を削減でき、働く場所にとらわれない柔軟な働き方を促進できます。さらに、プロジェクトごとにグループを作成して関係者間で情報を共有できるため、業務の見える化や情報の整理にも効果的です。
代表的なサービス
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、人がパソコン上で日常的に行っている操作を、ソフトウェアのロボットが代行して自動化する技術です。とくに、データ入力や帳票作成、集計処理など、手順が決まっていて繰り返し発生する「定型業務」に向いており、作業のスピードアップとミスの削減に大きく貢献します。
RPAの大きな特長は、24時間稼働が可能である点と、人為的ミスを抑制できる点です。さらに、多くのRPAツールはプログラミング不要で、ドラッグ&ドロップによる操作や画面操作の記録機能により、誰でも直感的に設定できます。これにより、ITの専門知識がない現場の担当者でも扱いやすく、導入のハードルが低いのも魅力です。このように、RPAの導入により従業員はルーティンワークから解放され、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。
代表的なサービス
クラウドPBXは、従来の電話交換機(PBX)の機能をクラウド上で行う仕組みです。インターネットを介して通話ができるため、スマートフォンやパソコンからでも会社の代表番号を使った発着信や内線通話が可能になります。この仕組みにより、オフィスにいなくても電話対応ができるため、テレワークや外出先での業務もスムーズに進みます。とくに多拠点展開している企業や、コールセンター・テレアポ業務をリモートで運用したい組織にとっては、大きなメリットとなるでしょう。さらに、社員が自身のスマートフォンを使っても会社の番号で発信できるため、場所にとらわれず一貫した電話対応が可能です。
代表的なサービス
Web会議システムは、インターネットを通じて離れた場所にいる相手ともリアルタイムで会話ができるツールです。自宅や出張先からでも参加できるため、場所にとらわれない働き方を支援し、リモートワークの実現を促進します。導入によって移動時間や出張費を削減でき、業務の生産性向上にもつながります。さらに、録画機能やチャット機能を活用すれば、欠席者への情報共有や議事録作成の手間が軽減されるのもメリットです。また、拠点が分かれている企業や、フレックス勤務・在宅勤務を導入している組織でも、タイムリーな意思決定やスムーズな連携が可能になります。さらに、採用活動においてもWeb面接を取り入れることで、遠方の優秀な人材へのアプローチや面接プロセスの効率化が図れるというメリットもあります。
代表的なサービス
チャットボットは、ユーザーの問い合わせに対し、自動で応答するシステムです。カスタマーサポートや社内の問い合わせ対応に活用することで、対応業務の負担を軽減し、業務の効率化を実現できます。また、24時間対応が可能なため、ユーザーの待ち時間が短縮される点もメリットです。さらに、FAQや定型的な質問を自動処理することで、担当者の負担を軽減し、より重要な業務に集中できる環境を整えられます。
代表的なサービス
勤怠管理システムは、従業員の出退勤や労働時間を正確に記録・集計するツールです。これにより、長時間労働の抑制や労働生産性の向上が期待でき、働き方改革の実現に貢献します。従来のタイムカードや手書きの出勤簿に比べて、打刻ミスや集計ミスを防げるほか、集計作業の負担も軽減できる点がメリットです。さらに、フレックスタイム制や裁量労働制といった多様な勤務形態にも柔軟に対応できるため、制度運用の効率化にも役立ちます。また、有給休暇の取得状況を自動で把握できる機能を備えたシステムを使えば、法令遵守や労務管理の精度向上にもつながります。スマートフォンやPCからの打刻にも対応しており、テレワークや出張中でもスムーズな勤怠管理が可能です。
代表的なサービス

クラウド郵便サービスとは、オフィスに届いた郵便物をクラウド上で確認・管理できるサービスです。テレワークの利用が増える中、「郵便物の確認や受け取りのためだけに出社が必要」といった課題を解消できる手段として注目されています。
『トドケール』は、届いた郵便物を自社でスキャンし、クラウド上で共有・管理できるアプリで、郵便業務のデジタル化と情報共有の効率化が可能です。アプリ上では、スキャンした郵便物を部署や担当者ごとに分類することができ、スマートフォンやPCから必要な情報をすぐに検索・閲覧できます。
郵便物がシステムに登録されると同時に、宛先として指定された受取人に自動で通知。通知手段はメールの他、Slack・Teams・Chatworkにも対応しているので、組織内で使用している連絡手段で受け取ることができます。
郵便業務の効率化やテレワークの推進を進めたい企業は、ぜひトドケールの導入を検討してみてください。
ITツールの導入は、業務効率化や柔軟な働き方を実現する上で欠かせません。しかし、導入にはコストや運用の課題が伴い、適切な準備なしでは期待した効果を得られないこともあります。ここでは、スムーズな導入を進めるために注意すべき4つのポイントを紹介します。
ITツールを導入する際には、コスト面を慎重に検討する必要があります。導入費用だけでなく、月額利用料やメンテナンス費用などのランニングコストも考慮し、長期的な視点で費用対効果を見極めることが重要です。導入の目的が業務効率化や人件費削減である場合、どの程度のコスト削減が見込めるのかを事前にシミュレーションし、回収可能な範囲であるかを確認する必要があります。また、無料トライアルや段階的な導入を活用し、実際の業務に適合するかを検証するのも有効な手段です。
ITツールの導入時、従業員が新しいシステムに対して抵抗を感じることがあります。とくに、長年の業務フローに慣れている人の場合「操作が難しそう」「仕事が増える」「自分の役割がなくなるのでは」と不安を抱きやすく、反発につながることもあります。こうした抵抗を防ぐには、IT導入の目的やメリットを明確に伝え、従業員の意見を尊重しながら進めることが重要です。事前に説明会や研修を実施し、ツールの利便性を理解してもらうことで、安心感を与えられます。また、段階的に導入し、サポート体制を整えることで負担を軽減し、スムーズな定着を促せます。
働き方改革を進める上でITツールの導入は不可欠ですが、従業員のITリテラシーが不足していると効果を十分に発揮できない可能性があります。とくに、PC操作に不慣れな従業員にとって、新しいシステムの導入は大きな負担となることがあります。また、ITリテラシー不足はセキュリティリスクにもつながります。ID・パスワードの管理不備、誤送信やデータ紛失、フィッシング詐欺への対応ミスなどが発生すると、情報漏洩や業務の遅延を引き起こしかねません。そのため、適切な教育・研修を実施し、従業員がツールを正しく使いこなせる環境を整えることが重要です。
ITツールの導入による業務効率化が進む一方で、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクも高まります。とくにクラウドサービスやオンラインツールを活用する企業では、セキュリティ対策の強化が不可欠です。総務部門や情報管理部門では、機密情報や個人情報を扱うことが多いため、適切な管理が求められます。セキュリティ対策が不十分な状態でITツールを導入すると、不正アクセスやデータ流出のリスクが高まり、重大なトラブルにつながる可能性があります。対策として、多要素認証の導入、アクセス権限の管理、最新のセキュリティ対策を施すことが重要です。
働き方改革を推進するうえで、ITツールの活用は大きな効果をもたらします。労働生産性の向上や多様な働き方の実現など、さまざまな課題を解決し、働きやすい環境を整えることができます。しかし、導入にはコストや社員の適応、ITリテラシーの向上、セキュリティ対策などの課題が伴う点には注意が必要です。これらの課題に適切に対処し、ITをうまく活用することで、企業の成長と従業員の働きやすさを両立させた働き方改革を実現しましょう。
総務・ファシリティマネジメントの価値を最大化させる
資料やセミナーを提供しています
RECOMMEND
おすすめ記事
2023.01.15
郵便局の私書箱とは?利用するメリットや注意すべきデメリットを解説
郵便物の転送や保管に便利な郵便局の私書箱をご存じでしょうか。利用することで、郵便物を即座に回収できることや誤配・盗難のリスクが減少するな...
2022.01.22
郵便物の再配達依頼方法や時間の確認方法について解説
郵便局からの不在票が入っていた場合の再配達の依頼方法や荷物の受け取り方法についてご存じでしょうか?本記事では郵便物の再配達について解説す...
2022.08.06
郵便局のe転居とは?3ステップでわかる手続き方法
オフィスや事務所を移転した場合、わざわざ郵便局の窓口まで足を運んで転居手続きをするのが面倒、と感じる方も多いのではないでしょうか。このよ...

Tag