更新日:
2025/4/21

企業運営において重要な役割を担う総務。業務範囲が広く、多岐にわたるタスクを求められるため、「業務量が多すぎる」「担当者が足りない」といった課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。総務BPOの活用は、このような課題を解決するのに有効な方法です。本記事では、総務BPOの基本概念や導入メリット・デメリット、業務例、成功のポイントなどを詳しく解説します。
総務BPOとは、端的に表現すれば「総務業務を外部の専門業者に委託する仕組み」のことです。以下で詳しく、総務BPOの基本概念や背景について解説していきましょう。
総務BPO(Business Process Outsourcing)は、企業が総務業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することを指します。この手法は、企業の業務効率化やリソース最適化を目指すために広く活用されています。具体的には、郵便物管理や施設運営、名刺の手配など、多岐にわたる総務業務が対象となります。
近年、企業を取り巻く環境は急速に変化し、コア業務に集中できる仕組みの整備が求められています。人手不足やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進といった課題を背景に、企業では専門業者のノウハウを活用することで効率化を図り、競争力を強化しようとする動きが強まってきました。
そこで、解決策のひとつとして、属人化しやすく業務範囲が広い総務業務を外部に委託する「総務BPO」が注目を集めています。
郵便物の受取・配布・発送といったメール室業務は、総務BPOでよく依頼される業務のひとつです。たとえば、
郵便物や宅配便の受け取り・部署ごとの振り分け
定期的な発送業務の管理
メール室の効率的な運営のためのシステム導入支援
などを委託することによって、総務業務にかかる時間やコストを削減し、コア業務の効率を向上させることができます。
名刺や印刷物の手配業務も総務BPOでよく取り扱われます。具体的には、
社内統一デザインの名刺の作成と発注
チラシやポスターなどの印刷物の管理
納期やコストの管理
などです。時間のかかるデザインのすり合わせや印刷物の管理など、総務BPOに委託することで効率性が高まります。
防災備蓄品の管理業務では、以下のような作業が行われます。
必要な備蓄品の調達
定期的な在庫確認と消費期限の管理
社内防災計画との連携
必要とされる場面が限られるだけに普段は滞りがちな業務ですが、災害が起きてからでは手遅れ。万一の災害時に備えた適切な準備を進めることで、企業や従業員の安心にも繋がります。
総務BPOは、来客対応や電話受付といった窓口業務も請け負います。具体的には、
来客時の案内や応対
電話対応の一元化
総合受付の運営改善
などです。来客時の案内や電話対応は、企業の第一印象を左右しかねない大切な業務。プロフェッショナルな対応を通じて、企業の信頼性を高めましょう。

以上でも一部紹介しましたが、総務BPOを導入することで、業務効率化やコスト削減など、さまざまなメリットが得られます。本章では、その具体的な内容を解説していきましょう。
総務業務は、どの企業にも必要な業務でありながら、一方で利益に直結することのない「ノンコア業務」。営業や研究・開発など、人材の不足する企業では、利益に直結する業務に集中したいのが本音ではないでしょうか。
そのため、こうした総務業務を外部に委託することで、従業員が本来の業務に集中できる環境を整えられます。たとえば、煩雑な郵便物の仕分けや名刺発注業務をアウトソーシングすることで、そこに費やしていた時間が有効活用できるようになります。
総務BPOを活用することで、さまざまなコスト削減ができるようになります。
たとえば、自社で人材を育成する場合には、採用から教育、給与支払い、労務管理に至るまで、膨大なコストがかかります。しかし、総務BPOを導入すれば、これらの固定費を委託費用という変動費に置き換えることができるでしょう。
また、新たな人材の採用や教育も不要になるため、これらにかかる時間や労力も削減できます。さらに、総務業務で起こりがちなイレギュラー業務が発生した場合でも、総務BPOを利用していれば、担当者が休日出勤や時間外対応を行う必要がなくなります。こうしたことから、総務BPOにおけるコストパフォーマンスの向上は多岐にわたって見られるようになると言えるでしょう。
多岐にわたる業務を抱える総務担当者は、どうしてもミスが発生しやすい状況に置かれがちです。とくに、専門知識を要する法令改正や制度変更への対応は負担が大きくなります。
そうしたなかで、総務BPOは有効な選択肢。専門家が業務を代行することで、正確性と効率性が向上し、ミスの軽減に繋げられます。また、業務マニュアルの作成や体制構築の支援により、スキルのばらつきを抑え、業務全体の質を改善することも可能です。
総務業務のデジタル化を推進するための技術支援を受けられる点も魅力です。たとえば、クラウドベースの郵便物管理システムの導入支援を依頼することで、ペーパーレス化を実現できます。
重要書類や機密文書の運搬、スキャニング、データ保存、書類保管システムの構築、さらには既存書類の廃棄まで、紙文書を電子化する一連の業務をBPOに依頼することができます。
テレワークが普及するいま、場所を問わず電子書類にアクセスできる環境を整備していくことは喫緊の課題ですが、これは同時に高度なセキュリティ対策が求められる分野でもあります。セキュリティ面を含めた専門性が必要な業務は、信頼できるBPO事業者に任せると安心です。

総務BPOは業務効率化やコスト削減といったメリットをもたらしますが、導入には注意すべき課題もあります。この章では、導入時に直面しやすいリスクと、それに対する対策を紹介していきます。
外部業者に業務を委託する際、依頼内容や進捗状況を正確に把握し、適切に管理することが求められます。業務範囲や成果物の基準が曖昧だと、期待していたパフォーマンスを得られない可能性があります。また、コミュニケーション不足が生じると、問題の早期発見や迅速な対応が遅れるリスクもあるため、定期的なミーティングや管理体制の整備が不可欠です。
機密情報を取り扱う業務を外注する場合、情報漏洩のリスクを伴います。このリスクを軽減するためには、契約時に秘密保持契約(NDA)を締結し、外部業者の情報管理体制を事前に確認することが重要です。また、データの暗号化やアクセス権限の制限など、技術的なセキュリティ対策も欠かせません。
外部業者に業務を任せることで、社内に業務ノウハウが蓄積されにくくなる点も懸念事項です。特に、長期的に外注を続けると、社内の知識やスキルが不足し、業務プロセスの見直しや改善が難しくなる可能性があります。この問題を解決するために、業務内容や進捗状況の報告を定期的に受け取り、重要なノウハウは社内に共有する仕組みを整えることが求められます。
ひと口に「総務BPO」といっても、その契約形態はさまざまです。以下では、総務BPOの代表的な3つの例をご紹介します。
請負契約は、外部業者が一定の成果物やサービスを納品することを目的とした契約形態です。この性質から、依頼内容は、名刺の印刷や郵便物の発送業務といった明確な成果物がある場合に適しています。また、企業は、業務の進め方を直接管理するのではなく、完成した成果物を受け取ることに重点を置きます。
報酬は成果物に対して支払われるため、成果物が完成するまでは契約が終了しません。そのため、企業側は総務BPOに業務範囲やオーダーを明確に指示することが重要です。
委任契約は、特定の業務を遂行する権限を外部業者に委ねる形態です。
この契約では、受任者が法律行為や専門的な知識を要する業務を遂行する責任を負います。たとえば、税理士が行う税務代理、不動産契約における法律行為の代行、弁護士による裁判手続きの対応などが該当します。これらの業務は高度な専門知識や資格を必要とするため、委任契約が適用されるのが一般的です。
準委任契約とは、法律行為以外の業務を遂行するために依頼する契約形態を指します。委任契約との主な違いは、契約の対象が特定の法律行為ではない点です。オフィス業務の多くが法的行為を含まないため、総務BPOの業務は準委任契約で取り扱われることが一般的です。たとえば、給与計算業務や社会保険手続き、勤怠管理、経費精算、社内文書の作成・管理などは、準委任契約に基づいて依頼されることが多い業務です。
この契約では、受任者は依頼された業務を遂行する義務を負いますが、成果物そのものを保証する必要はありません。つまり、作業過程そのものに責任を持つ形態となります。契約期間が終了すると、業務も終了する仕組みです。

以下では細かく総務BPOの導入手順を見ていきましょう。さらに章末で成功のポイントも簡単にお伝えするので、合わせてチェックしてください。
1.現状分析と課題の特定
まず社内で現在の総務業務の状況を分析し、課題や効率化が必要な業務を洗い出します。このときポイントとなるのは、とくに時間やコストがかかっている業務です。作業負担の大きい業務から総務BPOに委託することが推奨されるため、業務にかかる所要時間やコミュニケーションコストを把握しておきましょう。
2.導入範囲の決定
外部委託する業務の範囲を明確に定めます。総務BPOサービスを検索するとさまざまな事業者のサイトが表示されますが、営業やコールセンター代行業務に強い会社、バックオフィス業務を一括で請け負う会社、ITのBPOを専門としている会社など、対応領域が分かれているケースもあります。
どの業務を外注し、どの業務を社内で維持するのかを具体的に決定することが重要です。
3.適切な業者の選定
導入範囲に適した総務BPO業者を選びます。検討範囲は上記に紹介した通り、サービス内容をはじめとして、業者の実績、料金体系、セキュリティ体制など。複数のサービスを比較検討し、自社のニーズに最適な業者を選びます。
以下で、さまざまにある業者の中からいくつか具体例を挙げてみましょう。
【営業・コールセンター代行業務の代表的な事業者】
株式会社ネオキャリア
対応範囲:コールセンター代行(アウトバウンド・インバウンド)、採用代行など
特色:プライバシーマーク取得。人材会社ならではの採用力によって高いサービス品質を誇ります。
株式会社セレブリックス
対応範囲:戦略的営業代行、営業コンサルティング、デジタルマーケティングなど
特色:支援商材数は12,000以上。新規事業や法人での実績は業界最大級に及びます。
【バックオフィス業務の代表的な事業者】
株式会社パソナ
対応範囲:総務業務、人事労務業務、営業・センター業務など
特色:選任コンサルタントがBPO導入から立ち上げまでを全面的にサポート。幅広いサービス形態を組み合わせ、ベストソリューションを提案します。
株式会社コニカミノルタ株式会社
対応範囲:帳票処理、経理作業、請求処理など
特色:AI-OCRとクラウド型RPAを組み合わせた自動化技術を誇ります。ちなみにAI-OCRとは、光学文字認識に人工知能技術を融合させた最先端のOCR技術のこと。クラウド型RPAとは業務の自動化をクラウド環境で実現する技術のことを指します。
【ITのBPOを専門とする代表的な事業者】
株式会社アビームコンサルティング株式会社
対応範囲:ITマネジメント、デジタル改革、IoT支援など
特色:企業と一体となって業務改革・改善の実行支援を行います。また、業務とITを組み合わせたBPOの提供やERP(業務資源管理システム)導入経験を活かしたBPOサービスの提供も強みです。
株式会社ワールドビジネスセンター株式会社
対応範囲:コンピュータシステムにおける総合的なサービス
特色:医療情報システムや教育・研究システム、企業向け情報システムに関する実績と運用・開発の知見を持ちます。
4.契約内容の確認と締結
契約形態や業務範囲、責任分担を明確にし、合意の上で契約を締結します。とくに、秘密保持契約(NDA)を締結することが重要です。
5.導入後のフォローアップ
導入後、業務の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて改善点を見直します。外部業者との定期的なコミュニケーションが成功の鍵です。
明確な目標設定を共有する
導入の目的や目標を明確にし、それを全社員に共有することは必要不可欠です。共通認識があることによって、外部業者と自社の連携がスムーズに進みます。
効果測定と改善を行う
導入後の効果を定量的に測定し、具体的なデータに基づいて進捗を評価します。目標に対してどの程度成果が上がっているかを把握することで、課題が明確になり、改善策を迅速に講じることができます。また、定期的なフィードバックを取り入れることで、より改善スピードが高速化し、BPO導入の効果を最大限に引き出すことができます。
信頼関係を構築する
外部業者に委託した後は、良好な信頼関係を築き、オープンなコミュニケーションを心掛けることも大切なポイントです。こうしたソフト面でも工夫することによって、業務の透明性を保つことができ、さらにはより高品質なサービスを受けることができるようになります。
実績と信頼性
まずは過去の実績や業界での評判を確認しましょう。長年の経験がある業者は、専門知識が豊富で信頼性が高い傾向があります。
また、同業界内でのクライアント事例や成功事例を把握することで、その業者が自社にとって有益なパートナーとなるかどうかを見極めやすくなります。信頼性の高い業者は、トラブル対応やアフターサポートも迅速かつ適切に行うことができるため、アフターフォロー面での充実度を参照するのもおすすめです。
サービス内容の充実度
いうまでもありませんが、提供されるサービスが自社のニーズに適しているかを確認します。さらに、提供されるサービスが柔軟にカスタマイズできるかどうかも確認すべきポイント。自社の業務フローに合わせた最適なソリューションを提案できる業者は、長期的なパートナーとして信頼できます。
料金体系の透明性
長期間委託することを検討するなら、コストパフォーマンスのチェックは欠かせません。まずは料金体系が明確である業者を選びましょう。さらに、見積もりの際は不明瞭な費用が発生しないよう、事前に詳細を確認しましょう。契約前に全ての費用を把握し、追加費用が発生する可能性がある場合はその内容をしっかり確認しておくことが大切です。
このとき透明性のある料金体系を採用している業者を選ぶことは、後々のトラブルを避けるうえで重要なポイントとなるでしょう。
セキュリティ対策
総務業務は個人情報や企業の機密情報を取り扱う場合も多いため、セキュリティ対策の姿勢も業者を選定する際の大切なチェック項目です。
情報漏洩を防ぐためにどのような対策を実施しているのか、機密情報にアクセスする端末やネットワークをどのように管理しているかなどを事前に確認しておきましょう。
また、見極めるための基準として、ISO認証などを取得している業者は、信頼性が高いと考えられます。また、データの保護や情報漏洩対策に力を入れている業者は、リスク管理の面でも優れた対応ができるため、安心して委託できるでしょう。
柔軟な対応力
業務内容の変更や新たな課題に対して、柔軟に対応できる業者を選ぶことも重要です。企業の成長フェーズに合わせて業務の内容も変化していくため、必要なサポートを随時追加できる柔軟な対応ができる業者であると、総務業務の連携にかかる負担が少なくて済むでしょう。さらに、突発的なトラブルや変更にどのように対応するのかを事前に確認しておくと、委託した際のイメージがつきやすいため、おすすめです。

ここまでメリットやデメリット、業者を選ぶ基準など、さまざまな角度から総務BPOを紹介してきました。もし自社の郵便物管理の業務を外部委託したいと考えているならば、郵便物を管理してくれる「トドケール」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
「トドケール」は郵便物・配達物のデジタル管理システム クラウドを介し、荷物の管理者と受取人が双方向に荷物の情報にアクセスできるシステム。郵便・配達に関する状況を常時把握・共有できるため、「いつ届くか」「いつ送ったか」にかかる確認が効率化できるほか、郵便物や配達物も簡単かつスムーズに受け渡しができます。

総務BPO(Business Process Outsourcing)サービスとは、企業の総務業務を外部業者に委託する形態を指します。総務業務をプロに委託することによって、企業はコア業務に集中し、総務業務の効率化やコスト削減を図ることができます。業務委託内容は具体的に、郵便物管理、名刺発注、防災備蓄品の管理などが含まれます。
「BPO」とは、業務プロセスの一部を外部業者に委託することを指します。総務業務に限らず、経理や人事、ITサポートなど多岐にわたる業務を対象とします。
企業は、専門的なノウハウを活用して業務を外部に委託することで、業務の効率化や品質向上を実現できます。また、外部業者は、実績やさまざまなケースを取り扱う中で培った知識や経験を活かし、より効果的なサービスを提供できるため、委託する側にとっても大きなメリットがあるといえるでしょう。
総務アウトソーシングには、管理の難しさや情報漏洩リスク、社内ノウハウの蓄積不足といったデメリットがあります。こうした課題に対応するためには、契約内容の明確化、セキュリティ対策の強化、定期的な情報共有の実施が欠かせません。
業務委託は、特定の業務を外部業者に依頼する形態を指します。一方、BPOは、業務プロセス全体を包括的に委託する形態で、戦略的な視点から企業の競争力を高めることを目的としています。また、BPOでは、単なる作業委託にとどまらず、業務プロセスの改善提案や効率化支援が期待されます。
総務BPOは、業務効率化やコスト削減、専門性の活用を通じて企業運営をサポートする有効な手段です。一方で、管理や情報漏洩リスクへの対策、社内ノウハウの蓄積も重要な課題となります。導入時は、自社の課題を明確にし、信頼できる業者を選定することが成功の鍵です。総務BPOを適切に活用し、企業の競争力強化を図りましょう。
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