更新日:
2025/4/21

ファシリティマネジメント(FM)は、企業の施設運営の効率化を図り、コスト削減やサービス向上を目指す戦略的な役割を担っています。本記事では、ファシリティマネジメントの基本情報や成功事例を解説。どのようにして効率的な施設運営を実現し、競争優位を築くかについて紹介します。

ファシリティマネジメント(FM)は、企業や組織が保有する施設や設備を戦略的に管理し、資産価値の最大化や業務効率の向上を目指す手法です。物理的な施設の管理にとどまらず、エネルギー効率、リスク管理、環境配慮など多岐にわたる分野に影響を与えます。
近年、企業はコスト削減や生産性向上だけでなく、SDGsやCSR(企業の社会的責任)への対応が求められています。
エネルギー効率化や働き方改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応する上でも、ファシリティマネジメントは重要な位置づけとなっています。
施設管理は日常的な保守や維持管理を指しますが、ファシリティマネジメントはそれに加え、経営戦略に基づいた中長期的な視点で施設を活用し、価値を最大化することを指します。

ファシリティマネジメントの「経営レベル」では、企業全体のビジョンや戦略に基づき、施設の役割を再定義し、最適化することが求められます。
長期的な資産運用計画や施設投資、コスト削減、環境配慮型の取り組みを考慮し、施設が企業の競争力を高めるためにどう活用できるかを検討します。
「管理レベル」では、経営戦略を基にした具体的な施設運営の計画が必要なレイヤーです。設備の保守管理や契約管理、エネルギー効率の改善、リスク評価などが役割になります。
「日常業務レベル」では、施設の清掃、保守、修繕、設備の点検などが中心となります。施設内のトラブルや問題を即時に対応し、効率的かつ継続的な運営が求められ、従業員からのフィードバックを反映させ、業務改善に取り組むことが必要です。

施設や設備を計画的に維持管理することで、老朽化や劣化を防ぎ、長期的な資産価値を維持・向上させることが可能です。
エネルギー消費の効率化や修繕計画を最適化することで、運用コストを削減できます。また、無駄なリソースを省くことで経営の効率化にも貢献します。
快適で安全な職場環境を整えることで、従業員の満足度や生産性が向上します。働きやすい環境は従業員の離脱率低下にも好影響を与えます。
エネルギー消費削減や廃棄物削減を通じて、環境負荷を軽減し、持続可能な社会への貢献が可能です。CSR活動としての評価も高まるので、企業全体のイメージアップにも繋がります。

設備の定期点検と予防保全は、施設が常に正常に機能し、事故や故障を未然に防ぐための重要な業務です。設備の種類に応じて、定期的に点検を行い、劣化や摩耗の兆候を早期に発見します。
空調設備、電気設備、配管のチェックを行い、必要に応じて部品交換や修理を行います。また、予防保全の一環として、メーカー推奨のメンテナンススケジュールに従った点検や清掃を実施。予防的なアプローチを取ることで、突発的な修理コストや緊急対応の必要性を減らし、安定した運営を維持します。
ファシリティマネジメントの業務のひとつとして、エネルギー使用量の定期的なモニタリングがあげられます。消費が過剰な設備や時間帯を特定し改善することで、コスト削減だけでなく、環境への負荷を低減させられ、企業の持続可能な運営のための長期的な戦略を立てられます。
防災やセキュリティの強化は、ファシリティマネジメントにおいて欠かせない業務です。防災対策では、地震や火災、自然災害に備えた設備やシステムの整備があげられます。
また、セキュリティ強化には、施設への不正侵入を防ぐための監視カメラ、アクセス制限システム、警備員の配置などが業務に含まれます。災害時の対応マニュアルを整備し、緊急時の迅速な対応ができる体制を確立することが重要です。
オフィスのリニューアルや職場環境改善は、従業員の生産性や満足度向上を目指した業務です。空間のデザインやレイアウト変更を行うことで、より快適で効率的な働き方をサポートします。
オープンオフィスへの移行や、集中できる個別作業スペースの設置、休憩エリアの充実化など、企業によって対策方法はさまざま。職場環境の改善は、従業員の健康やモチベーションにも直結し、業務の効率化やチームワークの向上を促進します。定期的に従業員の意見を取り入れ、改善を続けることが重要です。

まずは施設の目的や利用状況に基づき、長期的な運営戦略を策定します。施設の維持管理、リスク対応、エネルギー効率化、コスト削減目標を設定し、具体的な業務や優先順位を明確にします。
予算計画や必要なリソースを見積もり、社内や関係者と合意を得た上で計画を策定しましょう。
次はファシリティマネジメント計画を基に、施設管理業務を実行に移します。設備の点検や修繕、リニューアルの実施など、設定した目標に沿ったプロジェクト管理が重要です。
業務を担当するチームや業者との連携を密にし、進捗状況を定期的に確認する必要があります。
ファシリティマネジメントの一環として、施設の運営状況を定量的(コスト削減、エネルギー消費)および定性的(従業員の満足度、安全性、快適性)な評価をすることもタスクです。
データ収集やアンケート調査を行い、業務の進捗や成果を数値で把握すると共に、施設利用者の意見を反映し、計画が適切に実行されているかを分析する必要があります。
さらに評価結果に基づき改善点や運営上の課題を特定し、必要な修正を加えることで、施設の効率性や快適性を向上させます。
データ分析を通じて新たな問題が見つかれば、それに対する新しい計画や手順を策定。これを繰り返すことで、継続的な改善と最適化を図り、ファシリティマネジメントの質を高めることができます。

ファシリティマネジメントを成功させるために、専門知識を持つチームを設置したり、外部業者やコンサルタントを活用したりすることが大切です。
設備管理やエネルギー効率、リスクマネジメントなど各分野の専門家を揃えることで、効率的かつ効果的なファシリティマネジメントができるようになります。最新技術や知識を取り入れることで、コスト削減や品質向上を実現します。
ファシリティマネジメントを成功させるポイントとして、「短期」と「長期」の2軸で戦略目標を設定することが挙げられます。
短期的には設備の維持管理やリスク対応を重視し、迅速に成果を、長期的には施設の資産価値向上や持続可能性を目指しましょう。それぞれの進捗を定期的に評価することで、継続的な成果を上げることができます。
従業員とのコミュニケーションを強化することで、ファシリティマネジメントの成功に繋がります。施設の使用者である従業員の意見やニーズを定期的に収集し、反映させることが重要です。
業務改善や施設の環境向上に向けた提案を取り入れることで、従業員のモチベーションや満足度が向上し、施設運営の効率化が図れます。

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認定ファシリティマネジャー(CFMJ)は、施設の効率的な運営や戦略的な管理を担当する専門家のこと。
CFMJ資格を持つことで、施設運営に関する高度な知識とスキルを活かし、施設の維持管理、エネルギー効率、セキュリティや安全対策、設備の予防保全、リスクマネジメントなど多岐にわたる業務を行えます。
認定ファシリティマネジャーとしての資格を取得するためには、認定試験を受ける必要があります。試験は筆記試験や実務に基づいたケーススタディなどが含まれ、合格後は認定資格を取得し、CFMJとして活動ができます。

ファシリティマネジメント(FM)は、「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」のことです。
企業や組織の土地、建物、設備、備品などの物理的な資産の管理のほか、オフィス空間や執務環境の整備などがファシリティマネジメントの主な仕事です。
働く環境や従業員の快適性を考慮し、持続可能な運営を支える役割が求められます。
ファシリティマネジャーの合格率は2023年時点で44.3%です。これまでの合格率と受験者数は下記の通りです。
年度 | 合格率 | 受験者数 |
2023 | 44.3% | 756名 |
2022 | 44.2% | 776名 |
2021 | 44.1% | 1,094名 |
2020 | - | - |
参照:https://www.jfma.or.jp/qualification/page2.html
本記事ではファシリティマネジメントの重要性、実施に必要な要素について紹介しました。ファシリティマネジメントは企業の持続的な運営の中で必要不可欠な役割を担っており、物理的な資産管理だけでなく、環境作りや風通しの良さなど定性的な視点も必要です。適宜必要なサービスや外部業者を活用することも視野に入れて、企業に合ったファシリティマネジメントを実装しましょう。
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