更新日:
2024/4/16

2022年より、確定拠出年金法の一部法改正が施行されることになりました。
今回の改正によって、以下の大きな変化があります。
【法改正①】受給開始時期の選択範囲上限が上がる
【法改正②】iDeCoに加入できる対象者が広がる
【法改正③】企業型DC加入者のiDeCo加入の要件が緩和される
改正の内容も複数あり、また改正の変更点がわかりづらいといった担当者の方も多いかと思います。本記事ではそもそも確定拠出年金とはなにか、今回の大きな改正点の詳細を解説します。
確定拠出年金とは、年金制度のひとつです。大きな特徴として挙げられるのは、加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定されるという点です。掛金額(=拠出額)が決められている(=Defined Contribution)ことから、確定拠出年金(DC)と呼ばれています。
確定拠出年金は、積立時、運用時、受取時の3つのプロセスで税制上の優遇措置が設けられており、大きな節税効果が期待されるため、多くの人が活用している制度です。
確定拠出年金には、事業主が掛金を拠出する「企業型年金(企業型DC)」と、個人で加入して本人が掛金を拠出する「個人型年金(iDeCo)」の2つのタイプがあります。
企業型DCは、事業主が掛け金を拠出し、その事業主が使用する従業員が加入者となります。運用商品については、企業型DCでは事業主が契約する運営管理機関が選定し提示したラインアップの中から加入者が選択します。
一方iDeCoは、加入者自らが掛金を拠出します。商品ラインアップの異なる多数の運営管理機関の中から、加入しようとする者が運用商品を含めたサービス内容を比較して運営管理機関を選ぶことになります。
長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、2020年6月に年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律が公布され、その一環として確定拠出年金法の一部が改正されました。
参照元:2022年の制度改正について|ライブラリ|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
企業型DCおよびiDeCoの受給開始時期の選択範囲が、「60歳から70歳の間」だったところから「60歳から75歳」に拡大されます。

参照元:2020年の制度改正|厚生労働省
本改正は、企業型DCとiDeCoとで異なるため、分けて解説します。
これまで企業型DCでは、60歳未満の厚生年金被保険者を加入者とすることができました。また60歳から65歳の間も、同一事業所で継続して使用される厚生年金被保険者に限り加入可能となっていました。
2022年5月からは厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入者とすることができるように対象拡大されました。ただし、企業によって加入できる年齢などが異なります。

参照元:2020年の制度改正|厚生労働省
これまでiDeCoでは、60歳未満の国民年金被保険者が加入可能でした。
2022年5月からは、国民年金被保険者であれば加入可能(65歳)となります。60歳以上の方は、国民年金の第2号被保険者又は国民年金の任意加入被保険者であればiDeCoに加入可能となります。また、これまで海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。

これまで企業型DC加入者のうちiDeCoに加入できたのは、事業主掛金の上限を月額5.5万円から月額3.5万円に引き下げた企業の従業員に限られていました。(確定給付型にも加入している場合は、2.75万円から1.55万円)
2022年10月からは、事業主掛金の上限の引き下げがなくても、iDeCoに原則加入できるようになります。ただし、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金には拠出限度額があります。各月の企業型の事業主掛金額と合算して月額5.5万円を超えることはできません。また、確定給付企業年金(DB)など他制度にも加入している場合は上限を2.75万円とされています。
企業型DCのみに加入する場合 | 企業型DCとDB等の他制度に加入する場合 | |
|---|---|---|
企業型DCの事業主掛金額 | 月額5.5万円 | 月額2.75万円 |
iDeCoの掛金額 | 月額5.5万円-各月の企業型DCの事業主掛金額 | 月額2.75万円-各月の企業型DCの事業主掛金額 |
参照元:2020年の制度改正|厚生労働省
本記事では、確定拠出年金の概要および2022年の大きな改正点について解説してきました。今後も段階的に確定拠出年金制度の加入可能年齢や加入条件が緩和されていく予定が立てられています。国民年金だけでは老後の資金に不安を抱く社員が多い中、適切に確定拠出年金の制度を設計・周知することで働く社員の満足度も大きく向上することが期待できます。これを機に担当者は現在の企業年金の制度を整理したり見直しを検討してみると良いと思います。
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